贈与と法律(全36問中29問目)

No.29

贈与契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年10月試験 問51
  1. 書面によらない贈与契約は、すでに履行が終わった部分を除き、贈与者または受贈者のどちらからでも撤回することができる。
  2. 負担付贈与契約は、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がなければ、贈与者は当該契約を解除することができる。
  3. 定期贈与契約は、贈与者または受贈者のどちらか一方の死亡により、それ以後の当該契約の効力を失うことになる。
  4. 夫婦間でした贈与契約は、夫婦関係が破綻を来していると認められる場合であっても、いつでも夫婦の一方から取り消すことができる。

正解 4

問題難易度
肢114.0%
肢210.9%
肢310.6%
肢464.5%

解説

  1. 適切。書面によらない贈与契約は、履行前の部分については、履行前であればいつでも・どちらからでも取り消すことができます。
  2. 適切。負担付贈与契約は双務契約の規定が準用されるので、受贈者が負担を履行しない場合、贈与者は負担付贈与契約を解除することができます。
  3. 適切。定期贈与は、贈与者が受贈者に対し、定期的に金銭等の財産を給付することを約束する契約です。定期贈与は、契約に別段の定めがない限り、贈与者または受贈者の死亡によりその効力を失います。多くの場合、定期贈与は当事者同士の人間関係を基礎としていて、権利義務が相続人に承継されるのは適当ではないためです。
  4. [不適切]。夫婦間で締結した贈与契約は、婚姻中であればいつでも夫婦の一方から取り消すことができます。ただし、婚姻関係が事実上破綻している場合には互いが同意しないと取り消せません。
したがって不適切な記述は[4]です。