中小法人の資金計画(全30問中2問目)

No.2

中小企業の資金調達の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年9月試験 問10
  1. 日本政策金融公庫の中小企業事業における融資では、事業用資金だけでなく、投資を目的とする有価証券等の資産の取得資金についても融資対象となる。
  2. 信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。
  3. ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の資産を担保として資金を調達する方法である。
  4. クラウドファンディングは、インターネット等を介して不特定多数の者に資金の提供を呼びかけて資金を調達する方法であり、「購入型」「寄付型」等に分類される。

正解 1

問題難易度
肢165.8%
肢215.1%
肢312.2%
肢46.9%

解説

  1. [不適切]。日本政策金融公庫の中小企業事業における融資は、事業用資金のみを対象としています。投資目的の資産(有価証券や不動産)を取得するための資金は対象になりません。また、事業として行うものであってもアパート・マンション経営のための資金についても対象外です。
  2. 適切。信用保証協会が保証をしている融資は「信用保証協会保証付融資(マル保融資)」と呼ばれ、信用保証協会が債務保証をしてくれることで金融機関からの融資を受けやすくなります。マル保融資を受けるためには、資本金または常時使用する従業員数が業種ごとに定められた一定数以下である必要があります。
    信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。2022.9-10-2
    信用保証協会保証付融資(マル保融資)の対象となる企業には、業種に応じた資本金または常時使用する従業員数の要件がある。2021.5-10-4
  3. 適切。ABL(Asset Based Lending:動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛金等の債権や在庫、機械設備等などの流動性の高い資産や特許権等の知的財産を担保として融資を受ける方法です。担保となるような不動産を所有してない中小企業であっても、事業規模に合った融資を受けることができます。
    ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の動産あるいは知的財産等を担保に資金を調達する方法であり、不動産担保や個人保証に過度に依存することなく資金を調達できるというメリットがある。2022.9-10-3
    ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権等の債権や在庫・機械設備等の動産を担保として資金を調達する方法である。2021.5-10-3
  4. 適切。クラウドファンディングは、群衆(Crowd)と 資金調達(Funding)という言葉を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の賛同者から資金を集める仕組みです。起業家、クリエイター、福祉事業を推進する団体が活動資金を調達する場として注目されています。
    資金提供の見返りとして商品やサービスを受け取る「購入型」、被災地やNPO団体へ寄付して使途や進捗状況の報告を受ける「寄付型」のほか、企業や個人に対して資金を貸し付けて利息と元本返済金を受け取る「貸付型」、資金提供の見返りとして事業利益の一部を受け取る「投資型」などの類型があります。
したがって不適切な記述は[1]です。