中小法人の資金計画(全30問中3問目)

No.3

中小企業の資金調達方法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問9
  1. 企業が民間の銀行から融資を受けて事業資金を調達する方法は、間接金融に分類される。
  2. インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。
  3. 第三者割当増資により新株を引き受けた第三者が既存株主以外の者であった場合、既存株主の持株比率が上昇する。
  4. 日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が利用できる融資制度であり、利用に当たって担保と保証人は不要とされている。

正解 3

問題難易度
肢119.7%
肢213.8%
肢346.7%
肢419.8%

解説

  1. 適切。企業の資金調達方法は、間接金融と直接金融に大別されます。銀行からの融資は、銀行を介して預金者のお金を借りていることになるので、間接金融に分類されます。
    間接金融
    金融機関からの借入れで資金調達する
    直接金融
    株式や社債の発行により資金の提供者から直接資金調達する
  2. 適切。インパクトローンは、外貨建てで融資を受ける資金調達方法です。期間や金額、返済方法の制限がなくその資金使途も限定されていません。それに対し、貸付者により使途が限定されている外貨建て融資をタイドローンといいます。外貨建ての融資は、輸出入を行う企業が為替リスクをヘッジするために利用されています。
    インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は、海外事業の展開・再編に係るものに限定されている。2022.9-10-4
    インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。2021.5-10-2
  3. [不適切]。株式を発行することにより資金調達をする方法は、新株を取得する者によって次の3つの類型に分類できます。
    株主割当て
    既存の株主に対して新株を取得させる
    公募割当て
    不特定多数の者に新株を取得させる
    第三者割当て
    特定の第三者に新株を取得させる
    第三者割当増資で既存株主以外が新株を取得した場合、発行済株式数が増える一方、既存株主の保有株式数は変わりませんから、既存株主の持株比率は低下することとなります。
  4. 適切。日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」は、商工会議所等の経営指導を受けている小規模事業者である商工業者が利用できる融資制度です。担保や保証人不要で2,000万円を限度として融資を受けることができます。
したがって不適切な記述は[3]です。