中小法人の資金計画(全30問中8問目)

No.8

中小企業による金融機関からの資金調達に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2021年5月試験 問10
  1. 手形貸付は、借入れについての内容や条件等を記載した金銭消費貸借契約証書によって資金を調達する方法である。
  2. インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。
  3. ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権等の債権や在庫・機械設備等の動産を担保として資金を調達する方法である。
  4. 信用保証協会保証付融資(マル保融資)の対象となる企業には、業種に応じた資本金または常時使用する従業員数の要件がある。

正解 1

問題難易度
肢139.8%
肢235.9%
肢311.7%
肢412.6%

解説

  1. [不適切]。金融機関からの資金調達の手段には、手形貸付、証書貸付および当座貸越などがあります。金銭消費貸借契約証書によって資金を調達するのは「証書貸付(証書借入)」です。
    手形貸付
    金融機関あての約束手形を振り出して融資を受ける
    証書貸付
    借入れごとに、金銭消費貸借契約証書を差し入れて融資を受ける
    当座貸越
    あらかじめ設定した貸越極度額の範囲内で自由に借りたり返したりできる
  2. 適切。インパクトローンは外貨建てによる融資を受ける資金調達方法のことをいいます。期間や金額、返済方法の制限がなく使途を限定されていません。それに対し、使途が限定されている外貨建てによる融資をタイドローンといいます。
    インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は限定されていない。2023.5-9-2
    インパクトローンは、米ドル等の外貨によって資金を調達する方法であり、その資金使途は、海外事業の展開・再編に係るものに限定されている。2022.9-10-4
  3. 適切。ABL(Asset Based Lending:動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛金等の債権や在庫、機械設備等などの流動性の高い資産を担保として融資を受ける方法です。担保となるような不動産を所有してない中小企業であっても、事業規模に合った融資を受けることができます。
    ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の資産を担保として資金を調達する方法である。2023.9-10-3
    ABL(動産・債権担保融資)は、企業が保有する売掛債権や在庫・機械設備等の動産あるいは知的財産等を担保に資金を調達する方法であり、不動産担保や個人保証に過度に依存することなく資金を調達できるというメリットがある。2022.9-10-3
  4. 適切。信用保証協会が保証をしている融資は「信用保証協会保証付融資(マル保融資)」と呼ばれています。信用保証協会が債務保証をしてくれることで金融機関からの融資を受けやすくなります。
    マル保融資の対象となる企業には、製造業や卸売業など業種に応じた要件があります。資本金または常時使用する従業員数が業種ごとに定められた一定数以下であれば保証を受ける対象となります。
    信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。2023.9-10-2
    信用保証協会保証付融資(マル保融資)は、中小企業者が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が保証するものであり、利用するためには、業種に応じて定められた資本金の額(出資の総額)または常時使用する従業員数の要件を満たす必要がある。2022.9-10-2
したがって不適切な記述は[1]です。