FPと関連法規(全33問中3問目)

No.3

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理や関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問1
  1. 社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、老齢基礎年金の繰下げ受給について相談に来た顧客に対し、繰下げ受給の仕組みや年金額の計算方法について一般的な説明を行った。
  2. 税理士の登録を受けていないFPのBさんは、所得税の確定申告について相談に来た顧客に対し、国税庁のホームページを見せながら確定申告の方法について一般的な説明を行った。
  3. 生命保険募集人の登録を受けていないFPのCさんは、子の誕生を機に生命保険に加入したいと相談に来た顧客に対し、家計の状況を聞き取りながら必要保障額の計算を行った。
  4. 弁護士の登録を受けていないFPのDさんは、相続人間の遺産分割について相談に来た顧客と代理人契約を締結し、顧客の代理人として、有償で他の相続人との遺産分割協議を行った。

正解 4

問題難易度
肢12.2%
肢22.0%
肢34.8%
肢491.0%

解説

  1. 適切。社会保険労務士の独占業務は、労働社会保険諸法令に基づく「申請書類の作成、提出手続きの代行」「申告等の代理」「帳簿書類の作成」です。公的年金の受給見込み額を計算したり、年金制度を説明したりすることは独占業務ではないので、社会保険労務士でないFPでもすることができます。
  2. 適切。税理士の独占業務は、「税務代理」「税務書類の作成」、個別具体的な「税務相談」の3つです。これらは有償・無償にかかわらず税理士ではないFPが取り扱うことができません。税理士の登録を受けていないFPであっても、税法や税制の一般的な説明をする分には問題ありません。
  3. 適切。生命保険募集人ではない者は、販売や勧誘などの生命保険の募集を行うことはできません。保険業法で禁止されているのはこれらの募集行為に限られているので、保険商品の一般的な商品性を説明したり、必要保障額を試算したりすることは誰でもできます。
  4. [不適切]。弁護士でない者は、報酬を得る目的で法律事件や法律事務を取り扱うことはできません。本肢のように遺産分割をめぐる相続人間の利害調整を引き受けたり、顧客の遺産分割調停手続を代理したり、遺言書について個別具体的な相談を受けたりするのは、弁護士資格を有しないFPが行うことができない業務です。
したがって不適切な記述は[4]です。