公的年金(全86問中31問目)

No.31

公的年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2019年5月試験 問6
  1. 老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間が25年以上あることが必要である。
  2. 厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計が48万円を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。
  3. 老齢厚生年金に加給年金額が加算されるためには、その受給権者に、所定の要件を満たす配偶者または子があり、厚生年金保険の被保険者期間が原則として25年以上あることが必要である。
  4. 老齢厚生年金の受給権者は、原則として66歳到達以降に老齢厚生年金の繰下げ支給の申出ができるが、当該申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出と同時に行わなければならない。

正解 2

問題難易度
肢15.7%
肢268.9%
肢315.4%
肢410.0%

解説

  1. 不適切。2017年(平成29年)8月より老齢基礎年金の受給資格期間は10年に短縮されました。25年はそれ以前の受給資格期間です。
    老齢基礎年金の受給資格期間は、2017年8月1日に、原則25年から10年に改正された。2018.1-6-1
  2. [適切]。厚生年金の被保険者として勤務しながら老齢厚生年金を受給している場合、在職老齢年金の仕組みにより、総報酬月額相当額と年金の基本月額の合計が48万円を超えると、老齢厚生年金額の全部または一部が支給停止になります。
    65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が48万円を超える場合、経過的加算部分等を除いた年金額の全部または一部が支給停止となる。2021.5-7-3
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、在職老齢年金の仕組みにより、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額の合計額が48万円を超えると、年金額の全部または一部が支給停止となる。2019.1-6-4
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、その受給権者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が48万円を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2018.1-6-3
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、その者の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超える場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2015.10-6-3
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が48万円を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。2014.1-5-2
    厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、当該被保険者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が48万円を超える場合、在職老齢年金の仕組みにより年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.9-5-4
    65歳未満の厚生年金保険の被保険者に支給される特別支給の老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-1
    65歳以上の厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が48万円を超えた場合、年金額の全部または一部が支給停止となる。2013.1-6-2
  3. 不適切。25年以上ではありません。加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳に到達した後、生計を維持している下記の配偶者または子がいる場合に老齢厚生年金に所定額が加算される制度です。
    • 65歳未満の配偶者
    • 18歳到達年度の末日までの間の子
      または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
    加給年金額が加算されるためには、原則として、老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が25年以上あることが必要である。2021.1-6-1
    老齢厚生年金に加給年金額が加算されるためには、一定の要件を満たす配偶者または子があり、老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上あることが必要である。2018.9-5-4
    加給年金額が加算されるためには、老齢厚生年金の受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上あること等の要件を満たす必要がある。2013.1-5-1
  4. 不適切。繰下げは別々に行うことができます。繰上げの場合には老齢厚生年金・老齢基礎年金を同時に行わなくてはなりませんが、繰下げの場合にはそのような制限がありません。片方だけを繰下げしたり、それぞれ別の支給開始年齢を選択することも可能です。繰下げ支給は、65歳時点では何もせずに66歳以降に裁定請求と繰下げの申出をすることによって行います。
したがって適切な記述は[2]です。