年金と税金(全6問中3問目)

No.3

公的年金等に係る税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年5月試験 問7
  1. 遺族基礎年金および遺族厚生年金は、所得税の課税対象とならない。
  2. 老齢基礎年金および老齢厚生年金は、その年中に受け取る当該年金の収入金額から公的年金等控除額を控除した金額が雑所得として所得税の課税対象となる。
  3. 確定拠出年金の老齢給付金は、その全部について、一時金として受給する場合は一時所得として、年金として受給する場合は雑所得として所得税の課税対象となる。
  4. 老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給者が死亡した場合において、その者に支給されるべき年金給付のうち、まだ支給されていなかったもの(未支給年金)は、当該年金を受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象となる。

正解 3

問題難易度
肢116.1%
肢28.0%
肢343.0%
肢432.9%

解説

  1. 適切。公的年金のうち、遺族年金と障害年金は課税対象となりません。
    基本的に、公的年金、健康保険、雇用保険、労災保険といった社会保険から受ける給付は、社会的配慮から原則として非課税所得です。老齢年金だけが例外的に所得税の課税対象となっています。
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    遺族基礎年金および遺族厚生年金は、所得税の課税対象とならない。2024.1-7-1
    障害基礎年金および遺族基礎年金は、所得税の課税対象とならない。2023.9-8-1
    障害基礎年金および障害厚生年金は、所得税の非課税所得となる。2022.9-8-2
  2. 適切。老齢基礎年金・老齢厚生年金は「公的年金等の収入金額-公的年金等控除額」の式により計算した額が、雑所得として課税されます。
    老齢基礎年金および老齢厚生年金は、その年中に受け取る当該年金の収入金額から公的年金等控除額を控除した金額が一時所得として所得税の課税対象となる。2022.9-8-1
  3. [不適切]。確定拠出年金の老齢給付金は、一時金として受け取る場合は退職所得として、年金形式で受け取る場合は公的年金等に係る雑所得として課税されます。それぞれ退職所得控除、公的年金等控除が使えるので有利に受け取ることができます。
    確定拠出年金の老齢給付金は、年金として受給する場合、雑所得として所得税の課税対象となる。2024.1-7-2
  4. 適切。年金の受給権者が死亡した時点でまだ受け取っていない年金や、死亡後に支給期が到来する年金は、「未支給年金」として生計を同じくしていた配偶者や子など一定の親族が受け取ることができます。未支給年金は、遺族が自己の名で請求するため、受け取った未支給年金は、請求者の一時所得として所得税の課税対象になります。
    老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給者が死亡した場合、その者に支給されるべき年金給付のうち、まだ支給されていなかったもの(未支給年金)は、当該年金を受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象となる。2024.1-7-3
    老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給者が死亡した場合において、その者に支給されるべき年金給付のうち、まだ支給されていなかったもの(未支給年金)は、当該年金を受け取った遺族の一時所得として所得税の課税対象となる。2022.9-8-3
したがって不適切な記述は[3]です。