生命保険(全145問中3問目)

No.3

個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および年金受取人は同一人であり、個人であるものとする。
2024年1月試験 問14
  1. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、その年金額に対応する払込保険料および公的年金等控除額を差し引いて算出する。
  2. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額が25万円以上である場合、その年金の支払時に当該金額の20.315%相当額が源泉徴収等される。
  3. 個人年金保険(10年確定年金)において、年金受取人が年金受取開始日後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  4. 個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。

正解 3

問題難易度
肢116.8%
肢214.1%
肢347.5%
肢421.6%

解説

  1. 不適切。公的年金等控除額は引きません。公的年金等とは、国民年金・厚生年金・公務員等の共済組合などの公的な制度から受け取る年金を指します。個人年金保険は民間保険会社との契約によるものですから、公的年金等には該当せず、公的年金等控除の適用もありません。個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、年金額に対応する払込保険料(必要経費)を差し引いて算出します。
  2. 不適切。20.315%ではありません。個人年金保険の年金額からその年金額に対応する払込保険料を控除した雑所得の金額が25万円以上である場合、支払時にその金額の10.21%が所得税・復興特別所得税として源泉徴収されます。年金受取人が受け取る金額は、源泉徴収後のものです。
  3. [適切]。個人年金保険では、年金受取開始日後であれば将来支給される年金を一括で受け取ることができます。この場合、"将来の年金給付の総額に代えて受け取る"一時金であれば一時所得となり、それ以外であれば雑所得になるという違いがあります。確定年金において残存期間分すべての年金を受け取る場合、"将来の年金給付の総額に代えて受け取る"ことになりますから一時所得として課税されます。これに対して、保証期間付年金の保証期間分の一括受取りは雑所得になります。
  4. 不適切。所得税ではありません。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死にかかわらず、保証期間後は被保険者が生存している限り年金が受け取れるものです。契約者・被保険者・年金受取人が同じである場合、保証期間中に被保険者が死亡すると、遺族が受給権を相続し、保証期間満了まで年金を受け取ることになります。そのため、残りの保証期間分の年金受給権は相続税の課税対象となります。
    契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人等が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。2023.1-15-3
    契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。2021.9-14-3
    契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、一時所得として所得税の課税対象となる。2021.5-13-3
    契約者、被保険者および年金受取人が同一人である個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間内に被保険者が死亡し、残りの保証期間について相続人等が受け取る年金の年金受給権は、相続税の課税対象となる。2020.9-14-4
    保証期間付終身年金保険において、保証期間中に被保険者が死亡したために、残りの保証期間について遺族が受け取る年金の受給権は、相続税の課税対象となる。2017.9-14-4
したがって適切な記述は[3]です。