損害保険(全100問中12問目)

No.12

住宅用建物および家財を保険の対象とする火災保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
2022年9月試験 問17
  1. 火災保険の保険料は、対象となる住宅用建物の構造により、M構造、T構造、H構造の3つに区分されて算定される。
  2. 保険金額が2,000万円(保険価額と同額)の火災保険に加入した後、火災により住宅用建物が損害を被り、損害保険金1,000万円が支払われた場合、保険契約は継続するが、保険期間満了日までの保険金額が1,000万円に減額される。
  3. 火災保険では、隣家の火災の消火活動により住宅用建物に収容されている家財が損壊した場合、補償の対象となる。
  4. 火災保険では、雪災により住宅用建物の屋根が損壊して100万円の損害が発生した場合、補償の対象となる。

正解 2

問題難易度
肢15.9%
肢268.0%
肢311.8%
肢414.3%

解説

  1. 適切。住宅用建物の火災保険の保険料は、M構造(マンション)、T構造(耐火構造)、H構造(非耐火構造)の3つの構造級別と建物所在地の別に応じて算定されます。災害時に損害が出やすい構造ほど保険料は高くなる仕組みです。
    専用住宅を対象とする火災保険の保険料を決定する要素の1つである建物の構造級別には、「M構造」「T構造」「H構造」の区分がある。2023.1-16-4
    専用住宅を対象とする火災保険の保険料を決定する要素の一つである建物の構造級別には、「M構造」「T構造」「H構造」の3種類の区分がある。2017.1-16-2
  2. [不適切]。建物が全焼するなどの理由で保険金額の全額が支払われた場合、その時点で契約は終了します。しかし、保険金額の全額に満たない金額が支払われた場合には、保険金額を減額することなく元の保険金額に復元して保険契約は継続されます(保険金額自動復元方式)。※保険会社によっては80%相当額の支払いは全焼と同等に扱う場合もあります。
    本肢は、保険金額2,000万円に対し50%相当額である1,000万円の保険金が支払われているため、保険金額は2,000万円のまま契約が継続します。
  3. 適切。火災保険では、自宅や隣家の消防活動によって自宅建物や家財が損害を受けた場合も、補償の対象となります。家財とは建物内に収容されている家財一式をいい、家具や家電製品、衣類、日用品のほか自転車や125cc以下の原動機付自転車などが該当します。
    隣家の火災時の消防活動により住宅建物が損害を被った場合、その損害は補償の対象となる。2021.3-16-2
    隣家の火災のための消火活動による水濡れにより、住宅建物が損害を被った場合は、補償の対象となる。2016.9-16-2
    隣家の火災時の消防活動により住宅建物に損害を被った場合、その損害については補償の対象となる。2015.5-16-1
  4. 適切。火災保険は、火災、爆発、破裂といった人為災害による損害だけでなく、落雷、風災、雪災、ひょう災、水災などの自然災害(地震・噴火・津波を除く)による損害も補償の対象としています。よって、雪災による住宅の屋根の損害は火災保険で補償されます。
したがって不適切な記述は[2]です。