損害保険(全100問中91問目)

No.91

契約者(=保険料負担者)を法人とする損害保険契約の保険料および保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2014年1月試験 問18
  1. 従業員が業務中に起こした自動車の対物事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対物賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理をする必要はない。
  2. 被保険者が役員、保険金受取人が法人である普通傷害保険の保険料は、全額を福利厚生費として損金に算入する。
  3. 被保険者がすべての従業員である積立普通傷害保険の月払保険料のうち、積立平準保険料部分の金額は資産に計上する。
  4. 海外旅行傷害保険の傷害治療費用保険金を従業員が保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金に関して経理処理をする必要はない。

正解 2

問題難易度
肢111.8%
肢259.9%
肢317.1%
肢411.2%

解説

  1. 適切。法人が契約する損害保険において、第三者が保険会社から保険金を直接受け取った場合、当該保険金に関して法人は何ら経理処理することはありません。法人は保険金を受け取っておらず、また取り崩すべき資産計上額もないためです。
    従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。2024.1-18-3
    法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。2020.1-18-3
    法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理しなければならない。2019.9-18-3
    法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。2016.1-17-2
    法人が所有する自動車で従業員が業務中に起こした対人事故により、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金に関して経理処理する必要はない。2013.1-17-2
  2. [不適切]。被保険者が特定の役員、保険金受取人が法人である普通傷害保険の保険料は、支払保険料として損金に算入します。なお、被保険者が全ての役員・従業員である場合には福利厚生費、保険金受取人が被保険者本人やその遺族になっている場合には給与として処理します。
  3. 適切。被保険者が全従業員である積立普通傷害保険の場合、積立部分の保険料は満期時・解約時までは資産計上します。そして、その他保険料部分は福利厚生費として損金算入します。
  4. 適切。法人が契約する損害保険において、従業員やその遺族が保険会社から保険金を直接受け取った場合、当該保険金に関して法人は何ら経理処理することはありません。法人としては支払った保険料は経費として処理されており、資産計上をしていないので取り崩す仕訳が必要ありません。また、法人としては保険金を受け取っていないため収入として計上する必要もないためです。
    従業員が業務中の事故により死亡し、普通傷害保険の死亡保険金を従業員の遺族が保険会社から直接受け取った場合、法人は死亡保険金に関して経理処理をする必要はない。2013.5-17-1
したがって不適切な記述は[2]です。