マーケット環境の理解(全26問中2問目)

No.2

景気動向指数および全国企業短期経済観測調査(日銀短観)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2023年9月試験 問21
  1. 景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、ディフュージョン・インデックス(DI)を中心として公表される。
  2. 景気動向指数に採用されている系列は、おおむね景気の1つの山もしくは谷が経過するごとに見直しが行われている。
  3. 日銀短観は、日本銀行が全国約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施する統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としている。
  4. 日銀短観で公表される「業況判断DI」は、回答時点の業況とその3ヵ月後の業況予測について、「良い」と回答した企業の社数構成比から「悪い」と回答した企業の社数構成比を差し引いて算出される。

正解 1

問題難易度
肢142.6%
肢230.0%
肢314.1%
肢413.3%

解説

  1. [不適切]。景気動向指数は、内閣府が毎月発表しているもので、生産や雇用に関する指標など、景気に敏感な指標を統合したものです。景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。従来、景気動向指数はDIを中心とした公表形態でしたが、近年、景気変動の大きさや量感を把握することがより重要になっていることから、 2008年4月分以降、CI中心とした公表形態に移行しています。
    コンポジット・インデックス(CI)
    景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする指数。一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面となる
    ディフュージョン・インデックス(DI)
    景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的とする指数。景気拡張局面では50%を上回り、後退局面では下回る傾向がある
    景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)を中心として公表される。2020.1-21-1
    景気動向指数は、生産、雇用などさまざまな経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合し、景気の現状把握や将来予測をするための指標である。2018.1-21-2
  2. 適切。景気動向指数の採用系列は、おおむね景気が一循環した後(「景気の1つの山」または「景気の1つの谷」が経過するごと)に、経済的重要性や景気循環との対応などの選定基準のもとに見直され、入替えが行われています。現行の系列は2021年1月分から採用されたものです。
  3. 適切。日銀短観は、製造業を17業種、非製造業を14業種に区分し、国内の資本金2,000万円以上の企業(約1万社)を対象に、業績や設備投資、雇用状況などのアンケート調査を行った結果をまとめたものです。毎年四半期ごと(3月・6月・9月・12月)ごとに実施されます。
    日銀短観は、統計法に基づいて行われる調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、政府の財政政策の適切な運営に資することを目的としている。2022.5-21-1
  4. 適切。日銀短観で公表される「業況判断DI」とは、回答時点の業況(現況)とその3か月後の業況(先行き)予測について、業況が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いたものをいいます。
    日銀短観で公表される「業況判断DI」は、回答時点の業況とその3カ月後の業況予測について、「良い」と回答した企業の社数構成比から「悪い」と回答した企業の社数構成比を差し引いて算出される。2022.5-21-4
したがって不適切な記述は[1]です。