株式投資(全51問中13問目)

No.13

株式の信用取引の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2022年1月試験 問26
  1. 信用取引では、現物株式を所有していなくても、その株式の「売り」から取引を開始することができる。
  2. 制度信用取引の建株を一般信用取引の建株に変更することはできるが、一般信用取引の建株を制度信用取引の建株に変更することはできない。
  3. 信用取引では、売買が成立した後に相場が変動して証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなくてはならない。
  4. 金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は30万円以上であり、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の30を乗じた金額以上でなければならないとされている。

正解 2

問題難易度
肢19.2%
肢250.8%
肢314.1%
肢425.9%

解説

  1. 適切。信用取引では「買い」だけでなく、「売り」から取引を開始することもできます。この場合、証券会社から株を借りて「売り」から取引を開始し、決済の時は証券会社に株を返却するという形の取引になります。
    信用取引では、現物株式を所有していなければ、その株式の「売り」から取引を開始することができない。2022.9-25-3
    信用取引では、現物株式を所有していなくても、その株式の「売り」から取引を開始することができる。2020.9-25-2
    信用取引では、「買い」から取引を開始することも、「売り」から取引を開始することもできる。2017.1-24-4
  2. [不適切]。信用取引を利用して買建てた株式または売建てた株式を「建株」といいます。一般信用取引の建株を制度信用取引の建株に変更することや、その逆、制度信用取引の建株を一般信用取引の建株に変更することはできません。
  3. 適切。信用取引では委託保証金率が保たれている必要があります。相場変動により委託保証率が所定の最低委託保証金維持率を下回った場合、定められた期日までに追加保証金(追証)を差し入れなくてはいけません。これは一般信用取引でも制度信用取引でも同じです。
    信用取引では、売買が成立した後に相場が変動し、その日の終値を基に計算される委託保証金率が、証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回った場合、追加保証金を差し入れるなどの方法により、委託保証金の不足を解消しなくてはならない。2022.9-25-2
    制度信用取引では、売買が成立した後に相場が変動して証券会社が定める最低委託保証金維持率を下回ったとしても、追加で保証金を差し入れる必要はない。2020.9-25-4
  4. 適切。信用取引を行う際に預託する委託保証金の額は30万円以上、かつ、信用取引をする株式の時価(売買価格)の100分の30(30%)以上の金額が必要であると、金融商品取引法で定められています。
    金融商品取引法では、株式の信用取引を行う際の委託保証金の額は20万円以上で、かつ、当該取引に係る株式の時価に100分の20を乗じた金額以上でなければならないとされている。2022.9-25-1
    金融商品取引法では、信用取引を行う際の委託保証金の額は20万円以上であり、かつ、約定代金に対する委託保証金の割合は20%以上でなければならないと規定されている。2020.9-25-3
したがって不適切な記述は[2]です。