法人税(全56問中36問目)

No.36

法人税における役員給与および役員退職給与の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
2016年1月試験 問38
  1. 法人税における役員給与は、登記簿上の役員として登記された者に支給される給与に限られ、使用人(従業員)に対する給与が役員給与とされることはない。
  2. 役員に対して支給する給与のうち、決算期末などに支給される役員賞与は、損金の額に算入することが一切できない。
  3. 役員に対して支給する給与のうち、利益に関する指標を基礎として算定される業績連動給与は、同族会社(非同族法人の完全子会社ではない)では、損金の額に算入することはできない。
  4. 退職した役員に対して支給する退職給与を損金の額に算入するためには、あらかじめ税務署長に対して支給時期および支給額を届け出なければならない。

正解 3

問題難易度
肢120.7%
肢210.6%
肢339.9%
肢428.8%

解説

  1. 不適切。法人税における役員給与は、登記簿上の役員として登記された者だけでなく、役員と使用人を兼務している人の場合、役員として支払われた部分は「役員給与」として、使用人として支払われた部分は「使用人給与」として区別されます。
  2. 不適切。決算期末などに支給される役員賞与については、税務署に「事前確定届出給与」として事前届出済である金額を支給する場合に限り損金算入することができます。
  3. [適切]。役員に対して支給する給与のうち、利益に関する指標を基礎として算定される「業績連動給与」は、同族会社を除く法人に限り認められるもので、原則として同族会社では認められていません。しかし、2017年(平成29年)度税制改正で、同族会社であっても非同族法人の完全子会社である場合には選択可能となり、適用可能な範囲が拡大しています。
  4. 不適切。退職した役員に対して支給する退職給与は、適正額と認められる部分に関しては損益算入することができます。税務調査等で過大と判断された部分は損金不算入となります。なお、損金に算入するために、あらかじめ税務署長に対して支給時期および支給額を届け出る必要はありません。
    退職した役員に対して支給する役員退職給与を損金の額に算入するためには、あらかじめ納税地の所轄税務署長に対して支給時期および支給額を届け出なければならない。2015.5-39-2
したがって適切な記述は[3]です。