各種所得の内容(全44問中19問目)

No.19

所得税における青色申告者の事業所得の金額に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2018年1月試験 問32
  1. 事業の遂行上、取引先へ資金を貸し付けたことにより受ける貸付金利子は、事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入される。
  2. 取引先の株式を有することにより受ける剰余金の配当は、事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入される。
  3. 事業の遂行上、必要な交際費は、事業所得の金額の計算上、その全額が必要経費に算入される。
  4. 確定申告書を申告期限内に提出する等の所定の要件を満たせば、事業所得の金額の計算上、青色申告特別控除として最高65万円を控除することができる。

正解 2

問題難易度
肢111.1%
肢230.5%
肢349.6%
肢48.8%

解説

  1. 適切。事業所得の総収入金額には、取引先への貸付金利子や従業員への貸付金利子のように、事業の遂行に付随して生じた収入も含めます。所得税法に定める利子所得とは「預貯金及び公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得」なので、「取引先に対する貸付金利子」は利子所得にはなりません。その他、事業遂行に関係のない知人に対する貸付金利子は、利子所得でも事業所得でもなく雑所得となります。
  2. [不適切]。個人事業者は法人ではないため、その収入は所得税法に基づいて分類されます。所得税法上、個人が受け取った株式の配当金は配当所得となります。事業所得の総収入金額に含めることはできません。
  3. 適切。交際費とは「得意先、仕入先その他、会社の事業に関係のあるものに対する接待、供応、慰安、贈与その他これらに類する行為のために支出するもの」です。
    個人事業主の場合、業務の遂行上必要と認められる交際費であれば、必要経費への算入額に上限はありません。法人の場合は、資本金の額によって"損金不算入"または"800万円を上限として全額損金算入"と異なります。
  4. 適切。事業所得、不動産所得、山林所得のある人が、正規の簿記に基づいて記帳した貸借対照表と損益計算書を添付して、申告期限内に提出した場合、青色申告特別控除として最高65万円を控除できます。
したがって不適切な記述は[2]です。