所得控除(全34問中22問目)

No.22

所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年9月試験 問34
  1. 医療費控除の控除額は、その年中に支払った医療費の金額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く)から、総所得金額等の合計額の5%相当額または10万円のいずれか低い方の金額を控除して算出され、最高200万円である。
  2. その年分の合計所得金額が500万円を超える者は、寡婦控除の適用を受けることができない。
  3. 寄附金控除の控除額は、その年中に支出した特定寄附金の額のうち、その年分の総所得金額等の合計額の40%相当額までの金額から4,000円を控除した金額である。
  4. その年分の合計所得金額が1,000万円を超える者は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者特別控除の適用を受けることができない。

正解 3

問題難易度
肢16.1%
肢220.8%
肢363.6%
肢49.5%

解説

  1. 適切。医療費控除額はその年中に支払った医療費の額(保険金等で補てんされる金額を除く)から総所得金額等の合計額の5%または10万円のいずれか低い方の金額を控除して算出され、最高200万円になります。
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    医療費控除(「特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」を除く)の控除額は、その年中に支払った医療費の金額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く)の合計額から、その年分の総所得金額等の合計額の10%相当額を控除して計算される。2021.3-35-4
    医療費控除(「特定一般用医療品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例」を除く)の控除額は、その年中に支払った医療費の金額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く)の合計額から、総所得金額等の10%相当額を控除して計算される。2018.1-34-2
  2. 適切。寡婦控除は、夫と死別・離婚した後に再婚していない者、または夫の生死が明らかでない者が受けられる所得控除です(控除額は27万円)。寡婦控除には以下の適用要件があります。
    1. 離別の場合には扶養親族を有していること
    2. ひとり親控除の対象にならないこと
    3. 合計所得金額が500万円以下
    寡婦控除の適用を受けるには、その年の合計所得金額が500万円以下でなければなりません(2020年~)。
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    2020年より寡婦(夫)控除が見直され、本人の合計所得が500万円超の人は控除を受けられなくなりました。また、新たに「ひとり親控除」が新設され、未婚のひとり親についても所得控除の対象になりました。寡夫控除は「ひとり親控除」に吸収される形で廃止されています。
    納税者の合計所得金額が500万円を超えている場合、寡婦控除の適用を受けることはできない。2024.1-34-3
    納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、基礎控除の適用を受けることができる。2022.9-33-2
    納税者は、その年分の合計所得金額が500万円を超える場合、ひとり親控除の適用を受けることができない。2022.9-33-3
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることはできない。2021.5-33-1
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることはできない。2021.3-35-3
    納税者の合計所得金額が2,400万円以下である場合、基礎控除の額は48万円である。2021.1-34-1
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、その納税者は配偶者控除の適用を受けることはできない。2019.1-35-1
    納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除、配偶者特別控除のいずれも適用を受けることができない。2013.9-35-3
    配偶者特別控除は、納税者の合計所得金額が1,000万円超である場合には、適用を受けることができない。2013.5-35-3
    基礎控除は、納税者の合計所得金額が2,000万円である場合には、適用を受けることができない。2013.5-35-4
  3. [不適切]。国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し行った寄付は、寄附金控除の対象となります。寄附金控除額は、①特定寄附金の額の合計額と②総所得金額等の40%相当額のいずれか低い金額から2,000円を控除した額です。
  4. 適切。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える者は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者特別控除の適用を受けることはできません。
    2018年(平成30年)以後は納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除、配偶者特別控除のどちらも適用対象外となります。
    納税者は、その年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることができない。2022.9-33-4
    合計所得金額が1,000万円を超えている納税者であっても、配偶者の合計所得金額が48万円以下であれば、配偶者控除の適用を受けることができる。2015.5-35-3
    合計所得金額が1,000万円を超えている納税者は、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除および配偶者特別控除のいずれも適用を受けることができない。2015.1-35-3
    合計所得金額が1,000万円を超える納税者が、控除対象配偶者を有していた場合、配偶者控除の適用を受けることができる。2013.1-35-4
したがって不適切な記述は[3]です。