不動産の見方(全48問中12問目)

No.12

不動産鑑定評価基準における不動産の価格を求める鑑定評価の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2022年1月試験 問42
  1. 収益還元法のうちDCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の価格を求める手法である。
  2. 収益還元法のうち直接還元法は、対象不動産の一期間の総収入を還元利回りで還元して対象不動産の価格を求める手法である。
  3. 取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合、当該取引事例の価格を価格時点の価格に修正しなければならない。
  4. 原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。

正解 2

問題難易度
肢122.7%
肢228.1%
肢331.6%
肢417.6%

解説

  1. 適切。DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割引き、それぞれを合計することで、対象不動産の収益価格を求める方法です。
    収益還元法のうちDCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の価格を求める手法である。2020.9-42-4
  2. [不適切]。基準となるのは「総収入」ではありません。直接還元法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法です。たとえば、1年間の純収益が200万円、還元利回りが5%なら、収益価格は「200万円÷5%=4,000万円」といった具合です。
  3. 適切。取引事例比較法は、取引事例を収集した後、取引価格に事情補正・時点修正を行い、地域要因の比較・個別的要因の比較を行って、対象不動産の比準価格を求める手法です。
    「時点修正」は、取引事例の時期と価格時点を比較したとき、不動産の価格水準が時間の経過により変動している場合に、取引事例の価格を価格時点の価格に修正する手続きです。
    取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合、当該取引事例の価格を価格時点の価格に修正する必要がある。2023.9-42-2
    取引事例比較法では、取引事例の取引時点が価格時点と異なり、その間に価格水準の変動があると認められる場合であっても、当該取引事例の価格は取引時点の価格から修正する必要はないとされている。2023.5-41-4
  4. 適切。原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の積算価格を求める手法です。
    再調達原価
    対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額
    減価修正
    物理的要因、機能的要因及び経済的要因に基づき発生した減価額を対象不動産の再調達原価から控除して、適正な価格を求めること
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2023.9-42-1
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2023.5-41-3
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2022.9-42-3
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について増価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2020.9-42-1
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法である。2018.5-42-2
    原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、当該再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である。2015.10-41-2
したがって不適切な記述は[2]です。