不動産の見方(全48問中33問目)

No.33

不動産の登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2016年9月試験 問41
  1. 不動産の所有権の取得は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
  2. 所有権移転の仮登記がされた不動産に対しては、抵当権設定登記をすることができない。
  3. 抵当権設定登記の登記記録は、権利部乙区に記録され、登記事項として債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。
  4. 権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

正解 2

問題難易度
肢125.1%
肢245.5%
肢311.6%
肢417.8%

解説

  1. 適切。不動産の表題登記は義務ですが、所有権の保存登記は任意事項になっています。所有権を登記すれば、その権利を第三者に対抗(主張)できますが、不動産を取得しても登記をしていない場合には対抗できません。
  2. [不適切]。仮登記とは、物権変動がまだ生じていない場合や、登記申請に必要な書類が揃わない場合に登記順位を確保するためにしておく登記のことです。仮登記だけでは対抗力はなく、後に抵当権設定登記をすることが可能です。
  3. 適切。登記記録の権利部には「甲区」に所有権に関する事項、「乙区」に所有権以外の権利に関する事項(抵当権、賃借権、地上権など)が記録されます。
    登記の目的が抵当権の設定である場合、不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2020.9-41-3
    不動産の抵当権設定登記をした場合、当該不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2020.1-41-4
    不動産の抵当権設定登記をした場合、当該不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載される。2019.1-41-3
    抵当権設定登記の登記記録は、権利部甲区に記録され、登記事項として債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。2016.5-41-3
    登記の目的が抵当権の設定である場合、不動産の登記記録の権利部甲区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記録される。2014.5-41-2
    登記の目的が抵当権設定の場合、不動産の登記記録の権利部乙区に、債権額や抵当権者の氏名または名称などが記載されている。2013.1-41-1
  4. 適切。権利に関する登記の抹消の際に、登記上の利害関係のある第三者がいる場合には、その利害関係がある人の承諾が必要になります。
    権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。2020.1-41-3
したがって不適切な記述は[2]です。