不動産の取引 (全59問中57問目)

No.57

不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
出典:2013年1月試験 問42
  1. 民法では、解約手付が交付された場合、買主が売買代金の一部を支払った後では、売主は手付金の倍額償還による売買契約の解除はできないとされる。
  2. 土地の売買契約において、その土地の登記記録の面積と実測面積とが相違しても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという旨の特約は、有効である。
  3. 建物の売買契約において、売買契約の対象となる建物が引渡し前に類焼・水害等で滅失した場合は、買主は売買契約を解除することができるという旨の特約は、無効とされる。
  4. 民法では、売買契約の目的物に隠れた瑕疵があった場合、その瑕疵について売主に過失がなくても、売主は、原則として、瑕疵担保責任を負わなければならないとされる。

正解 3

解説

  1. 適切。解約手付の性質を持つ手付金が買主から売主に交付された場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還によって、契約を解除することができます。
    本肢の「買主が売買代金の一部を支払った」という行為は、履行に着手したとみなされるため、売主は手付金の倍額償還をしても契約の解除はできません。
  2. 適切。土地の売買契約において、その土地の登記面積と実測面積とが相違していても、その面積の差に基づく売買代金の増減精算は行わないという特約を定めることは有効です。このように登記面積に基づき確定する取引を公簿売買といいます。また、実測面積に基づき確定する場合を実測売買といいます。
  3. [不適切]。建物の売買契約において、契約後、対象となる建物が引渡し前に類焼・水害等自然災害などの売主の責めに帰すことのできない原因によって滅失した場合、民法上は買主が全額負担を負うことになります。しかし、買主は売買契約を解除することができるという特約は有効に定められます。実際の取引では、この特約を付けることで売主がリスクを負担することが多くなっています。
  4. 適切。売買契約の目的物に隠れた瑕疵があった場合、売主の故意または過失の有無に関係なく、売主は買主に対して瑕疵担保責任を負わなければなりません。
したがって不適切な記述は[3]です。