不動産の取引 (全77問中67問目)

No.67

民法に基づく建物の売買契約の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
2014年1月試験 問44
  1. 売買契約の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、売主の責めに帰すべき事由によって滅失した場合、買主は売主に対して、売買契約の解除および損害賠償の請求をすることができる。
  2. 売買契約の目的物である建物が、売買契約締結後から引渡しまでの間に、水害等の天災により滅失した場合、売主は買主に対して売買代金の請求をすることができる。
  3. 売買契約の目的物である建物に契約内容に適合しない事実があった場合、売主は、その契約不適合について故意または過失がある場合に限り、買主に対して担保責任を負う。
  4. 買主が売主に解約手付を交付した後、さらに売買代金の一部を支払った場合、売主は、受領した売買代金を返還し、かつ、解約手付の倍額を買主に現実に提供すれば、売買契約を解除することができる。

正解 1

問題難易度
肢162.8%
肢214.6%
肢39.2%
肢413.4%

解説

  1. [適切]。売買契約後から引渡しまでの間に、売主に帰する事由で建物が滅失した場合は、契約は履行不能になります。債務が履行不能に陥った場合、買主は履行の催告をすることなく契約解除をすることができます。また、売主に帰責事由があるので債務不履行責任に基づき損害賠償請求も可能です。
    民法改正により、債務不履行により契約解除をするに際して債務者の帰責事由は不要となりました。以前は、債務不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは契約解除できないとされていました。
  2. 不適切。売買契約後引渡しまでの間に、天災等のやむを得ない理由で不動産が滅失した場合、売主の建物引渡し債務は履行不能により消滅し、買主は売主に対する代金支払を拒むことができます。
    民法改正前は、売主の建物引渡し債務が消滅する一方、買主の代金支払い債務は残ったままとなり、建物の引渡しがないのに代金を支払うことが民法上の規定でした。この規定は不合理であったため、民法改正により実務に即した形に変更されました。
  3. 不適切。売主の担保責任は原則として無過失責任です。引き渡した売買の目的物に契約不適合があった場合、売主は、その契約不適合についての故意や過失の有無にかかわらず担保責任を負います。
  4. 不適切。解約手付の交付があった場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は交付した手付の放棄、売主は手付の倍額を現実に提供することにより、契約の解除が可能になります。
    売買代金の一部が支払われた場合、その事実をもって買主が契約の履行に着手したとみなされるので、売主は解約手付の倍額を現実に提供しても手付解除することができません。
したがって適切な記述は[1]です。