不動産の取引(全90問中73問目)

No.73

借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
2015年1月試験 問44
  1. 賃貸借の目的である建物の用途が店舗等の事業用であっても、その建物の賃貸借については借地借家法が適用される。
  2. 普通借家契約を更新しない旨の通知は、賃貸人または賃借人のいずれが行う場合であっても、正当の事由が必要である。
  3. 定期借家契約は、公正証書その他の書面(電磁的記録による場合を含む)によって締結しなければならない。
  4. 定期借家契約を締結するときは、建物の賃貸人は賃借人に対し、あらかじめ、契約の更新がなく期間満了により建物の賃貸借が終了することを、書面を交付(電磁的方法により提供する場合を含む)して説明しなければならない。

正解 2

問題難易度
肢18.0%
肢271.5%
肢39.5%
肢411.0%

解説

  1. 適切。借地借家法は、原則として建物の用途にかかわらず適用されます。ただし、選挙事務所など一時使用のための賃貸借であることが明確な場合には借地借家法は適用されません。
    賃貸借の目的である建物の用途が店舗や倉庫等の事業用である場合、その建物の賃貸借については借地借家法が適用されない。2021.3-44-1
    賃貸借の目的である建物の用途が店舗や倉庫等の事業用である場合であっても、その建物の賃貸借に借地借家法が適用される。2016.5-44-1
    賃貸借の目的である建物の用途が店舗や倉庫等の事業用である場合、その建物の賃貸借については借地借家法は適用されない。2015.9-44-1
    賃貸借の目的である建物の用途が店舗等の事業用である場合、その建物の賃貸借については、借地借家法は適用されない。2013.9-44-1
  2. [不適切]。普通借家契約では、貸主都合による立退き請求から借主を守るため、賃人が契約更新を拒絶するときには正当事由が必要とされています。しかし、本肢は賃人による更新拒絶なので正当事由は不要です。
    賃借人が普通借家契約を更新しない旨の通知を賃貸人に行う場合には、正当の事由を必要とする。2016.5-44-2
    賃貸人からの普通借家契約の更新拒絶は、正当の事由がある場合でなければすることができない。2013.1-44-1
  3. 適切。定期借家契約は、公正証書などの書面または電磁的記録でしなければなりません。公正証書は例示にすぎないので、公正証書以外の書面であっても有効に締結することができます。
    一般定期借地権の設定契約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2023.9-44-4
    普通借地権の設定契約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2021.9-43-1
    一般定期借地権において、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物等の買取りの請求をしないこととする旨を定める特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2021.1-43-3
    一般定期借地権において、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物等の買取りの請求をしないこととする旨を定める特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2020.1-43-4
    一般定期借地権においては、契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、買取りの請求をしないこととする旨を定めることができるが、その特約は公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2018.1-44-4
    一般定期借地権において、契約の更新がないこととする旨の特約等は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)で定めなければならない。2015.9-43-3
    定期借家契約は、書面(電磁的記録による場合を含む)によらなくても成立する。2014.5-43-1
    存続期間を50年以上とする一般定期借地権において、契約の更新がない等の特約は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)で定めなければならない。2013.5-43-4
    定期借家契約を締結する場合は、公正証書その他の書面(電磁的記録による場合を含む)によってしなければならない。2013.1-44-4
  4. 適切。定期借家契約を締結しようとする賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により契約が終了する旨を記載した書面を交付して(または書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供して)説明しなければなりません。
    定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付し、または、賃借人の承諾を得て当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供して、説明しなければならない。2024.1-43-3
    賃貸人は、定期借家契約締結後、速やかに、建物の賃借人に対して契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付(電磁的方法により提供する場合を含む)しなければならない。2023.1-45-3
    定期借家契約を締結するときは、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することについて、その旨を記載した書面を交付(電磁的方法により提供する場合を含む)して説明しなければならない。2022.1-44-3
    賃貸人は、定期借家契約を締結する場合、あらかじめ、賃借人に対して契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借が終了する旨を記載した公正証書を交付しなければならない。2021.9-44-4
    定期借家契約を締結するときは、建物の賃貸人は賃借人に対し、あらかじめ、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することを、書面を交付(電磁的方法により提供する場合を含む)して説明しなければならない。2014.1-46-4
したがって不適切な記述は[2]です。