不動産の譲渡に係る税金(全39問中26問目)

No.26

個人が居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得に係る各種特例に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
2016年9月試験 問49
  1. 「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けるためには、譲渡資産の譲渡対価の額が1億円以下でなければならない。
  2. 「居住用財産の譲渡所得の特別控除」(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除)は、配偶者に対して譲渡した場合には適用されない。
  3. 「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」(軽減税率の特例)による軽減税率は、課税長期譲渡所得金額のうち1億円以下の部分の金額について適用される。
  4. 「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)の適用を受けるためには、相続または遺贈により取得した財産を、当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過するまでに譲渡しなければならない。

正解 3

問題難易度
肢111.4%
肢214.3%
肢353.8%
肢420.5%

解説

  1. 適切。特定の居住用財産の買換え特例の適用を受けるためには、譲渡資産の譲渡対価の額が1億円以下である必要があります。
    「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、譲渡資産の譲渡対価の額が1億円を超えている場合は、適用を受けることができない。2015.1-49-3
  2. 適切。3,000万円特別控除は、配偶者、直系血族、生計を一にする親族などの特別の関係がある人に譲渡した場合は適用を受けることはできません。
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合には適用を受けることができない。2023.1-49-1
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合には適用を受けることができない。2022.1-49-1
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合には適用を受けることができない。2021.9-49-1
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合には適用を受けることができない。2021.5-49-2
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に対して譲渡した場合には適用を受けることができない。2021.3-48-1
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合には適用を受けることができない。2020.1-49-1
    3,000万円特別控除は、居住用財産を居住の用に供さなくなった日から5年後に譲渡した場合には、適用を受けることができない。2020.1-49-2
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合でも、適用を受けることができる。2019.5-49-2
    3,000万円特別控除は、子に居住用財産を譲渡した場合には適用を受けることができない。2018.5-48-2
    居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、配偶者に対して譲渡した場合には適用を受けることができない。2018.1-49-3
    3,000万円特別控除は、居住用財産を配偶者に譲渡した場合であっても適用を受けることができる。2017.5-49-2
  3. [不適切]。1億円以下ではありません。軽減税率の特例は、課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分について、所得税が15%→10%、住民税が5%→4%に軽減される特例です。
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  4. 適切。相続税の取得費加算の特例は、相続や遺贈により取得した財産を、相続の申告期限から3年(相続開始から3年10か月)以内に譲渡した場合には、相続税額のうちその財産に対応する金額を譲渡所得計算上の取得費に加算することができるものです。
    相続により取得した土地について、「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)の適用を受けるためには、当該土地を、当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後1年を経過する日までの間に譲渡しなければならない。2024.1-49-4
    「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例(相続税の取得費加算の特例)」は、相続または遺贈により取得した財産を相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後1年以内に譲渡しなければ、適用を受けることができない。2015.1-49-4
したがって不適切な記述は[3]です。