不動産の有効活用(全21問中8問目)

No.8

不動産の有効活用の手法の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2019年9月試験 問50
  1. 等価交換方式における部分譲渡方式は、土地所有者が土地の全部を拠出し、デベロッパーが建設資金を拠出して、それぞれの出資割合に応じた土地・建物に係る権利を取得する方式である。
  2. 建設協力金方式は、建設する建物を入居予定のテナントから建設資金を借り受けて建設するため、当該建物はテナントの仕様に合わせた構造となり、用途の汎用性は低いものとなる。
  3. 事業受託方式は、土地の有効活用の企画、建設会社の選定および当該土地上に建設された建物の管理・運営をデベロッパーに任せ、建設資金の調達は土地所有者が行う方式である。
  4. 定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、当該土地上に建設する建物の資金調達をする必要がない。

正解 1

問題難易度
肢150.2%
肢219.6%
肢318.6%
肢411.6%

解説

  1. [不適切]。等価交換方式における部分譲渡方式は、土地の所有者が土地の一部(将来デベロッパーの持分となる土地部分)だけを拠出する方式です。したがって誤りです。
    全部譲渡方式では、土地を全部拠出した後、建物完成後に建物及び土地の一部をデベロッパーから取得するという形態をとりますが、土地の再取得に当たり不動産取得税の負担が生じます。部分譲渡方式は、将来デベロッパーの持分となる土地部分だけを拠出するので、土地の再取得のプロセスが生じない分、土地所有者にメリットがあります。通常、等価交換方式が行われる場合は部分譲渡方式が採用されることが多いようです。
    等価交換方式は、土地所有者とデベロッパーの共同事業として、土地所有者が土地を出資し、デベロッパーが建設資金を出資して建物を建て、それぞれの出資比率に応じて土地や建物を取得する方式である。2022.5-49-2
  2. 適切。建設協力金方式は、その建物に入居予定のテナントが差し入れた建設協力金をもとに、土地所有者が建物を建設し、完成後はテナントから賃料収入を得る事業方式です。この方式では、テナント(出店希望者)の要望通りの建物が建築されるため、用途の汎用性は低くなります。
  3. 適切。事業受託方式は、土地所有者の自己資金や調達した借入金を元手として、企画立案・建設・管理・運営といった事業を一貫してデベロッパーに委託する手法です。
    事業受託方式は、土地有効活用の企画、建設会社の選定および土地上に建設する建物の管理・運営をデベロッパーに任せることができるが、建設資金の調達は土地所有者が行う必要がある。2023.1-50-1
    事業受託方式は、土地の有効活用の企画、建設会社の選定や当該土地上に建設された建物の管理・運営等をデベロッパーに任せ、建設資金の調達や返済は土地所有者が行う方式である。2022.9-50-3
    事業受託方式は、土地の有効活用の企画、建設会社の選定や当該土地上に建設された建物の管理・運営等をデベロッパーに任せ、建設資金の調達や返済は土地所有者が行う方式である。2022.5-49-1
    事業受託方式では、土地の有効活用の企画、建設会社の選定や当該土地上に建設された建物の管理・運営等をデベロッパーに任せ、建設資金の調達や返済は土地所有者が行うこととなる。2022.1-50-2
    事業受託方式では、土地所有者が建設資金を負担することなく、土地有効活用の企画、建設会社の選定、土地上に建設した建物の管理・運営等をデベロッパーに任せることができる。2021.1-50-4
    事業受託方式は、土地の有効活用の企画、建設会社の選定や当該土地上に建設された建物の管理・運営等をデベロッパーに任せ、建設資金の調達や返済は土地所有者が行う方式である。2020.9-50-3
    事業受託方式は、土地有効活用の企画、建設会社の選定、当該土地上に建設された建物の管理・運営および建設資金の調達のすべてをデベロッパーに任せる方式である。2019.1-50-1
    事業受託方式は、土地有効活用の企画、建設会社の選定、当該土地上に建設された建物の管理・運営および建築資金の調達のすべてをデベロッパーに任せる方式である。2017.5-50-1
  4. 適切。定期借地権方式は、土地の所有権を移転させずに、借地権の設定によってデベロッパーに土地を一定期間貸し付けて賃借料を得る方式です。土地所有者に事業資金の負担はなく、比較的安定した収入を確保することができます。
    定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることによって地代収入を得ることができ、当該土地上に建設される建物の建設資金を調達する必要はない。2023.1-50-3
    定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることにより地代収入を得ることができ、当該土地上に建設される建物の建設資金を負担する必要がない。2022.5-49-4
    定期借地権方式では、土地所有者は、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は借地権者となる。2022.1-50-4
    定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることにより地代収入を得ることができ、当該土地上に建設される建物の建設資金を負担する必要がない。2021.1-50-1
    定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、当該土地上に建設される建物の建設資金を調達する必要はない。2020.9-50-2
    定期借地権方式では、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は土地所有者となる。2019.1-50-4
    定期借地権方式では、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は土地所有者となる。2018.9-50-4
    定期借地権方式では、土地を一定期間貸し付けることによる地代収入を得ることができ、借地期間中の当該土地上の建物の所有名義は土地所有者となる。2017.5-50-4
したがって不適切な記述は[1]です。