贈与と法律(全35問中32問目)

No.32

贈与契約に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2014年5月試験 問51
  1. 書面によらない贈与契約に基づく建物の贈与の場合、建物が受贈者に引き渡され、所有権移転登記がなされていても、贈与者は当該契約を撤回することができる。
  2. 書面による死因贈与契約は、原則として、遺言により撤回することができる。
  3. 負担付贈与契約に基づく負担を受贈者が履行しない場合、贈与者は当該契約を解除することができる。
  4. 夫婦間でした贈与契約は、第三者の権利を害しない限り、原則として、婚姻中、いつでも夫婦の一方から取り消すことができる。

正解 1

問題難易度
肢164.8%
肢212.3%
肢36.2%
肢416.7%

解説

  1. [不適切]。贈与を撤回できるのは、書面によらない贈与のうち履行していない部分だけです。本肢のケースでは、建物の引渡しが済んでいる=贈与が履行済なので撤回できません。
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  2. 適切。死因贈与契約は、贈与者の死亡によってその効力を生じる贈与契約です。死因贈与契約の贈与者は、原則として、その死因贈与をいつでも撤回することが可能です。遺言によりその契約を撤回することもできます。
    死因贈与契約の贈与者は、原則として、遺言によりその契約を撤回することができる。2016.1-51-3
  3. 適切。負担付贈与とは、贈与を受けたものに一定の債務を負担させることを条件にした贈与のことです。受贈者が債務を履行しない場合は、贈与者は負担付贈与契約を解除することができます。
  4. 適切。夫婦間の贈与契約は、他の第三者の権利を侵害しない限り、婚姻中はいつでも一方から取消することが可能です。
    夫婦間でした贈与契約は、第三者の権利を害しない限り、婚姻中、いつでも夫婦の一方から取り消すことができる。2013.9-51-3
    夫婦間でした契約は、その契約の取消しが第三者の権利を害するものであっても、婚姻中であれば夫婦の一方からいつでも取り消すことができる。2013.1-51-2
したがって不適切な記述は[1]です。