事業と経営(全5問中1問目)

No.1

会社法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2024年1月試験 問60
  1. すべての株式会社は、取締役会を置かなければならない。
  2. 株式会社において株主は、その有する株式の引受価額を限度として責任を負う。
  3. 定時株主総会は、毎事業年度終了後一定の時期に招集しなければならないが、臨時株主総会は、必要がある場合にいつでも招集することができる。
  4. 取締役は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。

正解 1

問題難易度
肢154.7%
肢226.3%
肢35.9%
肢413.1%

解説

  1. [不適切]。どの株式会社も、機関として取締役会と株主総会を置く必要がありますが、公開会社等を除き、取締役会の設置は任意です。取締役会とは、取締役3人以上で構成される会社の意思決定機関です。多数決を取るために3人以上の取締役が必要ですが、小規模企業や1人社長の会社なども多数存在することを考えれば、設置が義務ではないことが想像できます。
  2. 適切。株主は、会社の債務について出資した金額(株式の引受価額)を限度として責任を負います。株式会社が多額の負債を抱えて倒産した場合、出資した金額は戻ってきませんが、株主はそれを超えて返済等の責任を負うことはありません。この性質を「株主の有限責任」と言います。
  3. 適切。株主総会には「定時株主総会」と「臨時株主総会」の2種類があります。定時株主総会は、毎年一定の時期に招集しなければならないと会社法で定めています。それに対し臨時株主総会は、必要があるときにいつでも招集することができ、会社に関わる重要な事案が生じたときなどに招集されます。
  4. 適切。取締役は、任期中のいつでも、原則として株主総会の普通決議によって解任できます。株主総会は定時株主総会、臨時株主総会のどちらでも構いません。なお、解任された取締役は、解任に正当な理由がある場合を除き、会社に対して損害賠償を請求することができます。
したがって不適切な記述は[1]です。