相続と税金(全59問中20問目)

No.20

相続税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2019年9月試験 問56
  1. 被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべきであった死亡退職金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものを相続人が取得した場合は、死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
  2. 被相続人の死亡によって相続人に支給される弔慰金は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡当時における普通給与の5年分に相当する金額まで相続税の課税対象とならない。
  3. 相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
  4. 死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の算式により計算した金額である。

正解 2

問題難易度
肢18.9%
肢265.0%
肢320.7%
肢45.4%

解説

  1. 適切。被相続人に支給される死亡退職金は、支給が確定した時期によって課税関係が異なります。本肢の説明どおり、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは相続税の課税対象となり、死亡退職金の非課税枠を使うことができます。これに対して、死亡から3年を超えてから支給が確定したものは、相続人の一時所得として所得税の課税対象となります。
    被相続人の死亡により、相続人が被相続人に支給されるべきであった退職手当金の支給を受けた場合、当該退職手当金の支給が被相続人の死亡後5年以内に確定したものであれば、相続人は、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。2024.1-55-1
  2. [不適切]。5年分ではありません。相続人が被相続人の勤務先から受け取った弔慰金は、死亡退職金の非課税枠とは別に以下の額までは相続財産に含まれず、相続税の課税対象外となります。本肢は業務上の死亡ですので、普通給与の3年分までです。
    死亡の原因が業務上の理由による場合
    弔慰金等のうち普通給与の3年分以下の部分
    死亡の原因が業務外の理由による場合
    弔慰金等のうち普通給与の6ヶ月分以下の部分
  3. 適切。相続放棄をした者が受け取った死亡保険金は、死亡保険金の非課税金額の規定を適用する上でなかったものとされます。したがって、相続を放棄した者は、非課税の規定の適用を受けることができません。
    相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。2018.9-56-2
    相続の放棄をした者が受け取った生命保険金については、生命保険金の非課税金額の規定の適用がない。2015.9-56-4
  4. 適切。被相続人の死亡により、相続人が受け取る死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」を限度として非課税となります。
    死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額の計算上の相続人の数には、相続の放棄をした者は含まれない。2024.1-55-4
したがって不適切な記述は[2]です。