相続と税金(全59問中27問目)

No.27

相続税の課税財産と非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2018年1月試験 問56
  1. 被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。
  2. 被相続人が自動車事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、被相続人の遺族である相続人が受け取った対人賠償保険金は、相続税の課税対象とならない。
  3. 相続または遺贈により財産を取得しなかった者が、その相続の開始前3年以内にその相続に係る被相続人から暦年課税による贈与によって取得した財産は、相続税の課税対象とならない。
  4. 被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年を超えてから支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。

正解 4

問題難易度
肢111.2%
肢210.4%
肢331.5%
肢446.9%

解説

  1. 適切。貸付金や売掛金などの債権は、相続税の課税対象となります。
    被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。2021.9-54-1
    被相続人が相続開始時に有していた事業上の貸付金である債権は、相続税の課税対象となる。2019.5-55-3
    被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。2017.1-56-1
  2. 適切。損害保険の保険金や賠償金は、所得税法上の非課税所得なので、遺族が受け取る場合も非課税です。
    被相続人が交通事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、相続人が受け取った対人賠償保険の保険金は、相続税の課税対象となる。2020.9-55-1
    被相続人が交通事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、相続人が受け取った対人賠償保険の保険金は、相続税の課税対象となる。2019.5-55-4
    被相続人が自動車事故により死亡し、加害者が加入していた自動車保険契約に基づき、被相続人の遺族である相続人が受け取った対人賠償保険金は、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。2017.1-56-2
  3. 適切。相続・遺贈で財産を取得していない場合には、被相続人から相続の開始前3年以内に贈与を受けていても、相続税の課税対象にはなりません。
    被相続人から相続開始前3年以内に暦年課税による贈与により取得した上場株式は、その者が相続や遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。2022.1-57-3
    相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税の適用を受けて贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。2021.9-54-4
    被相続人から相続時精算課税による贈与により取得した財産は、その者が相続または遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税対象となる。2020.9-55-3
    相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。2020.9-55-4
    相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。2019.5-55-1
    相続または遺贈により財産を取得しなかった被相続人の母が、その相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税による贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。2017.1-56-3
    相続人が相続開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受け、暦年課税を選択していた場合、その者が相続または遺贈により財産を取得しなかったとしても、当該財産は相続税の課税対象となる。2014.1-55-4
  4. [不適切]。記述中の「相続財産とみなされて相続税の」の部分が不適切です。
    被相続人に支給される死亡退職金は、支給が確定した時期によって課税関係が異なります。被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは相続税の課税対象ですが、死亡から3年を超えてから支給が確定したものは遺族の一時所得となり所得税の課税対象となります。
    被相続人の死亡により、当該被相続人に支給されるべきであった退職手当金で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについて、相続人がその支給を受けた場合、当該退職手当金は、相続税の課税対象となる。2023.9-57-4
    被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象となる。2021.9-54-2
    被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の課税対象となる。2017.1-56-4
したがって不適切な記述は[4]です。