相続と税金(全59問中7問目)

No.7

相続税の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問において、相続の放棄をした者はいないものとする。
2023年1月試験 問57
  1. 遺産に係る基礎控除額の計算上、法定相続人の数に含めることができる養子(実子とみなされる者を除く)の数は、実子がいる場合、2人に制限される。
  2. 相続人となるべき被相続人の子がすでに死亡しているため、その死亡した子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。
  3. 相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた配偶者については、相続により取得した遺産額の多寡にかかわらず、納付すべき相続税額が生じない。
  4. 「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られず、いわゆる内縁の配偶者も含まれる。

正解 3

問題難易度
肢119.2%
肢215.2%
肢346.6%
肢419.0%

解説

  1. 不適切。相続税法上、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までに制限されます。本肢は実子がいる場合なので、法定相続人の数に算入できる養子の数は1人です。
    遺産に係る基礎控除額の計算上、法定相続人の数に含めることができる養子の数は、被相続人に実子がなく、養子が2人以上いる場合には1人である。2023.9-58-2
  2. 不適切。相続税の2割加算の対象となるのは、被相続人の配偶者・父母・子以外の人です。孫は2親等なので原則としては2割加算の対象ですが、代襲相続者である孫は、相続人となるべきだった子の立場をそのまま引き継ぐことから、相続税の2割加算の対象外とされています。
    遺産に係る基礎控除額の計算上、被相続人の子がすでに死亡し、代襲して相続人となった被相続人の孫は実子とみなされる。2023.9-58-4
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象とならない。2022.5-57-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象となる。2019.1-57-1
    相続人となるべき被相続人の子がすでに死亡しているため、その死亡した子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2018.5-56-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2016.9-56-2
    すでに死亡している被相続人の子を代襲して相続人となった被相続人の孫は、相続税額の2割加算の対象者となる。2016.1-56-1
  3. [適切]。配偶者に対する相続税額の軽減は、配偶者が実際に取得した遺産額が、法定相続分相当額または1億6,000万円のいずれか多い額までは相続税が課されないという制度です。相続人が被相続人の配偶者のみである場合、配偶者の法定相続分は1/1(=100%)になります。たとえ取得した遺産額が10億円であったとしても、取得した遺産額=配偶者の法定相続分相当額となるので、配偶者が納付すべき相続税額はゼロになります。
    相続開始時の法定相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。2022.5-57-3
    相続開始時の相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。2019.1-57-4
    相続開始時の相続人が被相続人の配偶者のみで、その配偶者がすべての遺産を取得した場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、配偶者が納付すべき相続税額は生じない。2018.5-56-3
    被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。2016.9-56-3
    被相続人の配偶者が「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けた場合、配偶者が相続等により取得した財産の価額が、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、原則として、配偶者の納付すべき相続税額はないものとされる。2016.1-56-2
    相続人が被相続人の配偶者のみである場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受ければ、相続により取得した財産額の多寡にかかわらず、原則として配偶者が納付すべき相続税額は0(ゼロ)となる。2014.9-56-1
  4. 不適切。配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けられるのは、被相続人と法律上の婚姻関係を有する者に限られます。内縁関係(事実婚)にある者は含まれません。
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られ、いわゆる内縁関係にある者は該当しない。2022.5-57-4
    「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることができる配偶者は、被相続人と法律上の婚姻の届出をした者に限られる。2018.5-56-4
    配偶者の税額軽減の対象となる配偶者には、被相続人との婚姻の届出をしていた者のみならず、被相続人と内縁関係にあった者も含まれる。2013.1-53-1
したがって適切な記述は[3]です。