相続財産の評価(不動産以外) (全9問中3問目)

No.3

取引相場のない株式に係る類似業種比準価額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、類似業種比準価額の計算に影響を与える他の要素については、考慮しないものとする。
出典:2018年5月試験 問60
  1. A社は土地を売却する予定であり、売却すると多額の売却損の発生が予想されるため、この土地の売却により類似業種比準価額を引き下げることができると考えている。
  2. B社は、類似業種比準価額の計算上、配当、利益および純資産という3つの比準要素のウエイトが「1:3:1」であるため、今後は、配当や純資産の引下げに努めるよりもウエイトの高い利益の引下げ(圧縮)に努めた方が、類似業種比準価額の引下げ効果は大きいと考えている。
  3. C社はこれまで無配であったが、今期、創業30年の記念配当を実施する予定であり、この配当を実施すると、比準要素のうちの配当がゼロからプラスになるため、類似業種比準価額が上昇するのではないかと考えている。
  4. D社の株式評価上の会社規模は、現在、中会社であるが、類似業種比準価額の計算上の斟酌率は会社規模が大きいほど小さくなるため、会社規模を大会社にさせて類似業種比準価額を引き下げたいと考えている。

正解 1

解説

類似業種比準方式は、原則として大会社に適用される評価方式で、事業内容が類似する上場企業の業種の株価をもとに評価する方式で、1株当たりの配当金額、年利益金額、純資産価額の3要素を比較し評価額を算出します。
  1. [適切]。不動産等の売却損の損失を計上すると当期利益の圧縮に繋がるので、評価額の引下げに効果があります。よって記述は適切です。
  2. 不適切。平成29年度税制改正により、非上場株式の相続税評価額を算定する際、比準要素である配当・利益・簿価純資産の比重が「1:3:1」から「1:1:1」に変更されました。
  3. 不適切。記念配当は、類似業種比準価額の比準要素の計算に含まれないため、比準要素の計算上の配当金額はゼロのままで変わらず、記念配当を実施した分、会社の純資産が減少するので評価額を引き下げる効果があります。
  4. 不適切。類似業種比準価額を算出する際の斟酌率(しんしゃくりつ)は、大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5と会社規模に比例するので、会社規模が大きいほど評価額も大きくなります。
したがって適切な記述は[1]です。