相続財産の評価(不動産)(全40問中22問目)

No.22

宅地および宅地の上に存する権利の相続税における評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、賃貸借関係のある宅地については、いずれも借地権(定期借地権は除く)の目的となっている宅地であるものとする。
2018年5月試験 問58
  1. Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを自宅として使用している場合、賃借している宅地の上に存する権利は借地権として評価する。
  2. Aさんが、所有する宅地をBさんに賃貸し、Bさんがその宅地の上にBさん名義の家屋を建て、これをBさんの個人事業の事務所として使用している場合、所有している宅地は貸宅地として評価する。
  3. Aさんが、所有する宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、所有している宅地は貸家建付地として評価する。
  4. Aさんが、賃借している宅地の上にAさん名義の家屋を建て、これを賃貸している場合、賃借している宅地の上に存する権利は転貸借地権として評価する。

正解 4

問題難易度
肢117.2%
肢219.9%
肢311.3%
肢451.6%

解説

  1. 適切。建物を所有するために他人から土地を賃借している場合、その宅地の上の権利は「借地権」として評価します。
    Aさんが、Dさんから賃借した宅地の上に自己名義の居住用家屋を建て、これを自宅として使用している場合、その宅地の上に存する権利は借地権として評価する。2013.5-56-4
  2. 適切。Aさんは、借地権の設定者(貸主)です。借地権を設定して貸している宅地は「貸宅地」として評価します。
    Aさんが所有する宅地をBさんに賃貸し、Bさんがその宅地の上にBさん名義の家屋を建て、これをBさんの個人事業の事務所として使用している場合、その宅地は貸宅地として評価する。2013.5-56-2
    Aさんが所有する宅地をCさんに賃貸し、Cさんがその宅地の上にCさん名義の居住用家屋を建て、これを賃貸の用に供している場合、その宅地は貸家建付地として評価する。2013.5-56-3
  3. 適切。宅地所有者が自己の所有する貸家を建てて賃貸している場合、その宅地は「貸家建付地」として評価します。
  4. [不適切]。Aさんは借地上に貸家を建てて賃貸しているので、その宅地の上の権利は「貸家建付借地権」として評価します。なお、転貸借地権とは、借地権者からさらにその土地を賃貸しているときの転借権者の権利です。転貸借地権は「借地権の価額×借地権割合」の式で評価します。
したがって不適切な記述は[4]です。
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