不動産の相続対策(全26問中20問目)

No.20

相続人が複数いる場合の遺産分割対策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年5月試験 問59
  1. あらかじめ遺言書を作成し、共同相続人の相続分や遺産分割方法を指定しておくことは、有効な遺産分割対策になり得る。
  2. 分割が困難な土地等を所有している場合、相続開始前にその土地等を共同相続人間で分割がしやすい資産に変換しておくことは、有効な遺産分割対策になり得る。
  3. 特定の相続人から他の相続人が代償分割によって取得した代償財産は、被相続人から相続により取得した財産ではないため、贈与税の課税対象となる。
  4. 特定の相続人が他の相続人に自己が所有している不動産を代償分割によって交付した場合、その不動産を時価により譲渡したものとみなされ、所得税の課税対象となる。

正解 3

問題難易度
肢13.7%
肢24.0%
肢361.2%
肢431.1%

解説

  1. 適切。あらかじめ遺言書を作成し、共同相続人の相続分や遺産分割方法を指定したり、生前贈与したりすることは、有効な遺産分割対策になります。
  2. 適切。分割が困難な土地等を所有している場合、相続開始前にその土地などを共同相続人間で分割しやすい資産に変換しておくことは、有効な遺産分割対策になります。
    分割が困難な土地を所有している場合に、相続開始前に相続人間で分割がしやすい資産に入れ替えておくことは、遺産分割対策として効果的である。2019.5-59-2
    分割が困難な土地等を所有している場合、相続開始前にその土地等を相続人間で分割がしやすい資産にしておくことは、遺産分割対策として有効である。2013.9-58-2
  3. [不適切]。代償財産として交付を受けた資産は、遺産の代わりに受け取ったものなので相続税の課税対象となります。代償分割が行われた場合、代償財産を交付した人と交付を受けた人の相続税の課税価格は以下のようになります。
    • 交付した人 … 相続した財産の価額代償財産の価額
    • 交付を受けた人 … 相続した財産の価額代償財産の価額
  4. 適切。代償分割により金銭以外の資産が代償財産として交付された場合、当該資産は通常の取引により譲渡があったものとみなされます。このため、代償財産が不動産や株式である場合は、交付した者に対して譲渡所得として所得税が課税されることがあります。
したがって不適切な記述は[3]です。