相続と保険の活用(全3問中3問目)

No.3

相続対策における生命保険の活用に関する次の記述の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
事業経営者であるAは、資産の大部分を占める事業用資産を後継者である長男B(Aの子)に相続させる予定である。将来、Aの相続において、長男Bが、当該事業用資産の全部を取得する代わりに他の相続人に対し()を支払うことを検討している場合には、その財源対策として、できるだけ早期に契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人を()、被保険者を()とする生命保険契約を締結しておくことが有効である。
2013年1月試験 問58
  1. (ア)代償金 (イ)A (ウ)長男B
  2. (ア)代償金 (イ)長男B (ウ)A
  3. (ア)換価金 (イ)A (ウ)長男B
  4. (ア)換価金 (イ)長男B (ウ)A

正解 2

問題難易度
肢19.5%
肢259.8%
肢39.9%
肢420.8%

解説

遺産分割において、共同相続人の1人または数人が、遺産の一部または全部を相続により取得し、その財産を取得した者が他の共同相続人に対して生じた債務を金銭などの財産で負担する方法を「代償分割」といいます。このとき財産を相続した人から、他の相続人に対して支払われる金銭等を代償金といいます。

この代償分割を円滑に行うためには、財産を得る人に代償金を交付できるだけの資金を用意しておかなければなりません。この資金を残す方法として生命保険が活用されます。

この目的のためには、死亡保険金受取人を後継者である長男B、被保険者を被相続人Aとした生命保険契約を締結しておくことが有効です。長男Bが受け取る死亡保険金は、Bの固有の財産になりますから、相続開始時に他の共同相続人に対して代償金を支払う財源とすることが可能です。
なお、本問では契約者を後継者Bとしていますが、必ずしも後継者を契約者としなければならないわけではありません。被相続人の財産の多寡、後継者の所得の多寡、保険料の生前贈与プランの活用などを考慮して税額が少なくなる方法を選択することになると思います。

したがって、適切な組合せは[2]です。