国民年金未加入期間がある老齢基礎年金について

ogaさん
(No.1)
5月度受験予定です。
2つの問題について違和感を持っており、ご教授いただければ幸いです。

(ア)2020年1月  実技  きんざい(生保)問3の①
22歳までの35月は未加入。
老齢基礎年金の保険料納付済期間は、60歳までの445月で、65歳までの480月ではない点

(イ)2021年1月  実技  きんざい(生保)問2の③
22歳までの25月は未加入。
定年退職後から65歳までに国民年金に任意加入したら、老齢基礎年金の年金額を増やせる点

<違和感>
アのケースは60~65歳は厚生年金に入っているので、第二号被保険者として国民年金に入っているはず。なのに、60歳以降の月はカウントされないところ。

※上記アとイが正直あまりよくわかっていません。
  大きな違いとしては、退職する年齢(前者は65歳、後者は60歳)だと思います。

よろしくお願いいたします。
2024.05.01 17:43
マルさん
(No.2)
お答えしますね。
5月試験を控えてらっしゃるので、長くなりますができるだけ丁寧に解説します。わからなかったら遠慮なく追加質問してください。

さて、スレ主さんの違和感の原因は老齢年金の計算式の「保険料納付済期間」に60歳後の厚生年金加入期間を入れないからです。
もっと正確に言うと、厚生年金加入期間でこの「保険料納付済期間」に入れるのは、20~60歳までの厚生年金加入期間なんです。それ以外の期間、例えば20歳前や60歳後の期間は老齢基礎年金の計算からははじかれちゃうんです。

ご存知のように、60歳超えても厚生年金に加入している人は、厚生年金加入を辞めない限り、平たく言えば会社を辞めない限り、老齢年金の受給権が発生する65歳までは、国民年金の第2号被保険者です。厚生年金被保険者でもあり、国民年金被保険者でもあります。

でも老齢基礎年金の計算では20歳~60歳までの厚生年金期間でしか計算してもらえないんです。

なんでこうなっているか理由を説明します。
これは1986年にそれまで別々の制度だった国民年金、厚生年金、当時は共済年金の年金制度を改正して、全国民共通の年金制度として国民年金を土台とする制度にしたからなんです。
一階部分に国民年金から「~基礎年金」とつく年金を支給し、2階部分でそれぞれの制度からの年金を支給する二階建て方式を始めたんです。
土台となる年金なんで、その年金額を計算するのは公平にそろえないといけませんよね?
国民年金の第1号被保険者は20歳~60歳までですよね。また第3号被保険者も20歳~60歳までの第2号の配偶者の期間ですよね。
老齢基礎年金の計算もそれに合わせたんです。

では、この老齢基礎年金の計算からはじかれた厚生年金期間はどうしてくれんの?となりますよね。
はい、しっかり面倒みてます。それが老齢厚生年金の「経過的加算」なんです。ただ上限が480月までなんですけどね。
つまり老齢基礎年金ではじかれた20前や60歳後の厚生年金期間は、老齢厚生年金の方で「経過的加算」という形で面倒みるんで安心してくださいと言うことなんです。

この問題のアの事例は60歳後も厚生年金加入だったので、国民年金第2号被保険者だったけど、老齢基礎年金の計算では60歳後は計算の基礎にしてもらえない。でもその代わり、老齢厚生年金の方で経過的加算として計算してもらえる。上限480月までだけど。

一方、イの事例では60歳後に退職したから何の被保険者でもなくなった。だから国民年金に任意加入して任意加入被保険者となり老齢基礎年金の「納付済期間」を増やし、老齢基礎年金額を増やすことができたと言うわけです。

説明が長くなりまして大変恐縮ですが、私が過去スレで「経過的加算」にコメントしています。リンク貼っときますので、良かったら参考までにご覧ください

https://fp2-siken.com/bbs/1943.html
2024.05.01 23:40
ogaさん
(No.3)
マルさま

ご回答ありがとうございました。
違和感について、年金制度の背景、時代の流れ諸々も絡めて解消することができました。

加えて経過的加算の存在意義も確りわかり、期待以上でした。
2024.05.02 09:59

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