FPと倫理(全3問中1問目)
No.1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理に照らし、最も適切なものはどれか。2024年9月試験 問1
- 顧客から金融資産の安定した投資先を教えてほしいとの依頼を受けたFPのAさんは、自身の勤務先である銀行が新たに取扱いを始めたリスクの高い金融商品を提案し、契約することを強く勧めた。
- 顧客から配偶者が要介護認定を受けたことを聞いたFPのBさんは、住宅リフォーム工事を請け負う会社を経営する知人に対して、顧客の同意を得ないでその情報を伝えた。
- 顧客から保険商品について相談を受けたFPのCさんは、自身の専門性を強調するため、顧客の理解度は考慮せず、専門用語を多用して保険商品の説明を行った。
- 顧客から資産運用に関するセミナーの講師を依頼されたFPのDさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、当該官公庁の許諾を得ることなく、セミナーのレジュメで出典を明記して使用した。
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正解 4
問題難易度
肢14.4%
肢24.5%
肢34.5%
肢486.6%
肢24.5%
肢34.5%
肢486.6%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:1.ファイナンシャル・プランニングと倫理
解説
- 不適切。FPは業務に当たり、顧客の利益を最優先にしなければなりません(顧客第一の原則)。顧客は安定した投資先を求めているのに、自身の勤務先が取り扱う高リスク商品を強く勧める行為は、FP自身の利益を優先していると言わざるを得ないため不適切です。
- 不適切。FPは、業務上知り得た顧客の情報を保護しなければならず、本人の許可なく第三者に漏らしてはなりません(秘密保持の原則)。別の業者に顧客の情報を提供する際には、情報提供について本人の同意を得なければなりません。同意を得ずに顧客の情報を伝える行為は、守秘義務違反に当たるため不適切です。また、個人情報データベースを業務に使用している場合には、個人情報保護法にも違反します。
- 不適切。FPは、顧客との間に情報の非対称性があることを踏まえ、販売・推奨等をする商品・サービスについて顧客にわかりやすく説明する必要があります。顧客の理解度を考慮せずに専門用語を多用して説明する行為は、顧客の利益に結び付く正しい知識や情報の提供をしているとは言えないため不適切です。
- [適切]。国や地方公共団体の機関等が一般に周知される目的で公表している広報資料や統計資料などは、転載禁止の表示があるものを除き、許諾なしに転載することができます。
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