損益通算(全36問中1問目)

No.1

Aさんの2024年分の所得の金額が以下のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
給与所得の金額 600万円
不動産所得の金額 ▲50万円(土地等の取得に要した負債の利子の額はない)
譲渡所得の金額 ▲180万円(ゴルフ会員権の譲渡により生じた損失)
2024年9月試験 問33
  1. 370万円
  2. 420万円
  3. 550万円
  4. 600万円

正解 3

問題難易度
肢18.6%
肢23.7%
肢383.7%
肢44.0%

解説

不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の損失がある場合、他の所得との損益通算が認められています。ただし、不動産所得の金額の計算上生じた損失のうち、以下のものについては損益通算の対象となりません。
  • 土地等を取得するために要した借入金の利子(建物分はOK)
  • 別荘等の生活に通常必要でない資産の貸付けに係るもの
設問の表を見ると不動産所得の損失額が50万円あります。本問では上記2つの額は含まれていないので、50万円すべてが損益通算の対象となります。

さらに譲渡所得の損失についても「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額の計算上生じた損失」は損益通算の対象外です。ゴルフ会員権は、主として趣味、娯楽、保養または鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産に該当するため、その譲渡損失は損益通算できません。

以上より、給与所得と損益通算できるのは不動産所得の損失50万円だけになります。所得を合算すると、

 600万円-50万円=550万円

したがって[3]が適切です。