不動産の証券化(全22問中21問目)

No.21

不動産の投資判断等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2013年9月試験 問50
  1. 不動産投資の際のデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。
  2. DCF法は、一定の保有期間中に生み出される純収益の現在価値の総和と、保有期間終了後の復帰価格(純転売価格)の現在価値を合算して、投資不動産の収益価格を求める手法である。
  3. IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、DCF法によって求めた投資不動産の収益価格が実際の投資(予定)額の現在価値を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  4. 借入金併用型投資では、レバレッジ効果が働き、投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合には、投下自己資金に対する投資収益率の向上が期待できる。

正解 3

問題難易度
肢112.5%
肢231.2%
肢340.7%
肢415.6%

解説

  1. 適切。デュー・デリジェンスとは、主にM&Aや不動産投資などの大型の投資を実施する前に、投資先の価値やリスクについて、経済的・法律的・物理的などの様々な側面から詳細な調査を行うことです。
    不動産投資の際に行うデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。2021.3-50-1
    不動産投資の際に行うデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。2015.9-50-1
    不動産投資の際に行うデュー・デリジェンスとは、一般に、投資対象の経済的・法律的・物理的側面等に関する詳細かつ多面的な調査をいう。2014.9-50-1
  2. 適切。DCF法(Discounted Cash Flow法)は、各年の純収益(総収入-必要経費)と、将来の転売価格である復帰価格を、発生時期に応じて現在価値に割り引き、それを合計して対象不動産の収益価格を求める手法です。
    DCF法は、対象不動産の保有期間中に生み出される純収益の現在価値の総和と、保有期間満了時点における対象不動産の価格の現在価値を合算して、不動産の収益価格を求める手法である。2015.5-50-2
    DCF法は、不動産の保有期間中に生み出される純収益の現在価値の総和と、保有期間満了時点における対象不動産の価格の現在価値を合算して、不動産の収益価格を求める手法である。2014.9-50-2
  3. [不適切]。本肢は、NPV法による投資判定の説明なので誤りです。
    IRR法(内部収益率法)では、投資によって得られる収益の現在価値が投資額と同じになる割引率(内部収益率)を求め、その内部収益率が投資家の期待収益率を上回れば投資価値があると判断し、下回れば投資価値がないと判定します。
  4. 適切。対象不動産の収益率が借入金の金利を上回っている場合(収益率>借入金利)には、借入金を組み合わせることにより、投下した自己資金に対する収益率の向上が期待できます。この効果をレバレッジ効果といいます。
    レバレッジ効果とは、投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合に、借入金を利用することにより自己資金に対する利回りが上昇する効果をいう。2024.9-50-4
    レバレッジ効果とは、投資に対する収益率が借入金の金利を上回っている場合に、借入金の利用により自己資金に対する利回りが上昇する効果をいう。2023.5-50-1
    借入金併用型不動産投資において、レバレッジ効果が働くとは、投資の収益率が借入金の金利を下回っているときに借入比率を上げることで、自己資金に対する投資収益率が上昇することをいう。2015.10-50-1
    レバレッジ効果とは、借入金の金利が投資に対する収益率を上回っている場合に、借入金の利用により自己資金に対する投資利回りが上昇する効果をいう。2014.1-50-3
したがって不適切な記述は[3]です。