不動産の証券化(全22問中22問目)

No.22

国内に上場されている不動産投資信託(以下「J-REIT」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2013年1月試験 問50
  1. J-REITの投資法人は、借入れによる資金調達が可能であり、一般に、借入金を併せて投資家からの出資総額以上の金額を投じて資産を購入し運用している。
  2. J-REITの分配金の原資は、投資不動産からの賃貸料収入に限定されており、投資不動産の売買益を配当可能利益に算入することは認められていない。
  3. J-REITの投資法人は、配当可能利益のうちの一定割合を超える額を分配金として投資家に支払うことを要件の一つとして、分配金を損金に算入することが認められる。
  4. 居住者である個人がJ-REITから利益の分配を受けた場合、その分配による所得は、配当所得となる。

正解 2

問題難易度
肢18.8%
肢257.6%
肢314.6%
肢419.0%

解説

  1. 適切。J-REITの投資法人は、通常の投資家からの出資以外にも借入れによる資金調達も可能なため、投資家からの出資総額以上の金額を投じて運用することも可能です。
  2. [不適切]。J-REITの分配金の原資には、不動産を賃貸したことによる賃貸料収入(インカム・ゲイン)のほかに、不動産を売却したことによる売買益(キャピタル・ゲイン)があります。
  3. 適切。J-REITの投資法人は、配当可能利益のうち90%を超える額を分配金として投資家に支払うことを要件の一つとして、分配金額を損金に算入することができます。
  4. 適切。J-REITから投資家個人が受け取る分配金は配当所得になり、原則として株式の配当金と同様の扱いになります。ただし、J-REITの分配金には配当控除が使えないことに注意しましょう。
したがって不適切な記述は[2]です。