不動産の譲渡に係る税金(全42問中33問目)

No.33

所得税における固定資産の交換の特例(以下「本特例」という)の適用要件に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
2015年9月試験 問48
  1. 交換譲渡資産も交換取得資産もそれぞれ所有期間が1年以上でなければ、本特例の適用を受けることはできない。
  2. 土地と借地権の交換の場合は、本特例の適用を受けることはできない。
  3. 交換取得資産が、不動産業者が販売のために所有している土地(棚卸資産)の場合は、本特例の適用を受けることはできない。
  4. 交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内でなければ、本特例の適用を受けることはできない。

正解 2

問題難易度
肢116.4%
肢232.9%
肢324.3%
肢426.4%

解説

固定資産の交換の譲渡所得の特例とは、個人が土地と土地、建物と建物などのように同じ種類の固定資産を交換したときに、その譲渡がなかったものとする特例です。本特例の適用を受けるためには下記6つの要件を満たす必要があります。
  1. 同じ種類の資産の交換であること(借地権は土地とみなす)
  2. 交換対象資産が販売のために所有している固定資産(棚卸資産)でないこと
  3. 譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること
  4. 取得する資産は、相手が1年以上所有していたものであり、交換のために取得したものでないこと
  5. 取得する資産を交換前と同じ用途で使用すること
  6. 交換する資産同士の時価の差額が、高い方の価額の20%以内であること
なお、交換差金がある場合には、授受した交換差金が譲渡所得として所得税の課税対象となります。
  1. 適切。交換譲渡資産及び交換取得資産は、所有期間が1年以上でなければ固定資産の交換の特例の適用を受けることはできません。
  2. [不適切]。本特例において借地権は土地とみなされます。よって、同種の固定資産の交換として適用対象となります。
  3. 適切。交換取得資産は固定資産であることが適用条件のため、不動産業者が販売のために所有している土地(棚卸資産)は、固定資産の交換の特例の適用を受けることはできません。
  4. 適切。交換時、交換譲渡資産の時価と交換取得資産の時価との差額が、これらの時価のうち、いずれか高い方の価額の20%以内でなければ固定資産の交換の特例の適用を受けることはできません。
したがって不適切な記述は[2]です。