不動産の相続対策(全27問中5問目)
No.5
遺産分割対策等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。2021年5月試験 問58
- 被相続人の財産の維持や増加について特別の寄与をした相続人について認められる寄与分の額は、原則として共同相続人の協議によって定めるが、協議が調わないときは、寄与をした者の請求により家庭裁判所が寄与分を定める。
- 代償分割により特定の財産(遺産)を取得した相続人から他の相続人に交付された代償財産が不動産や株式であっても、その不動産や株式を交付した相続人には、譲渡所得として所得税が課されることはない。
- 被相続人が、推定相続人と話し合って生前に家庭裁判所に遺留分の放棄をする旨を申立てさせることは、遺産分割対策として効果的である。
- 公正証書遺言により相続分や遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。
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正解 2
問題難易度
肢110.9%
肢249.3%
肢338.4%
肢41.4%
肢249.3%
肢338.4%
肢41.4%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:7.不動産の相続対策
解説
- 適切。相続人が被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与(働き)をした場合、その相続人は遺産分割で貢献した分を増加させることができます。これを寄与分といいます。寄与分は他の相続人との協議により決まりますが、協議が調わないときは、申立て請求をすることで家庭裁判所に判断をしてもらいます。
- [不適切]。代償分割により金銭以外の資産を代償財産として交付された場合、当該資産は通常の取引により譲渡があったものとみなされます。このため、代償財産が不動産や株式である場合は、交付した者に対して譲渡所得として所得税が課税されることがあります。代償分割により特定の財産(遺産)を取得した相続人から他の相続人に交付された代償財産が不動産や株式であっても、その不動産や株式を交付した相続人には、譲渡所得として所得税が課せられることはない。(2017.9-59-4)
- 適切。遺留分とは、相続人が最低限の相続財産を取得できる権利です。被相続人が遺言書を残した場合であっても、相続人が遺留分を請求することで遺言書どおりに遺産分割できないことがあります。遺留分は相続の放棄と異なり、家庭裁判所の許可を受けることで相続開始前に放棄することができるので、推定相続人と話し合って遺留分の放棄申立てをしてもらうことは遺産分割対策として効果的であるといえます。被相続人が生前に推定相続人と話し合い、相続の放棄をする旨を家庭裁判所に申述させることは、遺産分割対策として効果的である。(2019.5-59-3)被相続人が相続人と話し合い、被相続人の生前に相続の放棄をする旨を家庭裁判所に申述させることは、遺産分割対策として有効である。(2013.9-58-4)
- 適切。公正証書遺言は公文書であり、法に則した遺言書を作成できるので安全で確実な遺言方法であるといえます。公正証書遺言により相続分や遺産分割方法を指定しておくことで、遺産分割のトラブルを防ぎ、相続手続きをスムーズに進められます。公正証書遺言により遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における相続人間のトラブルの発生を防止する対策として効果的である。(2019.5-59-1)遺言により遺産分割方法を指定しておくことは、遺産分割における共同相続人間のトラブルの発生を防止するのに効果的である。(2017.9-59-1)
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