相続と税金(全59問中14問目)

No.14

次の費用等のうち、相続税の課税価格の計算上、相続財産の価額から債務控除することができるものはどれか。なお、相続人は債務控除の適用要件を満たしているものとする。
2021年9月試験 問55
  1. 被相続人が団体信用生命保険に加入して金融機関から借り入れていた住宅ローンで、相続開始直前にローン残高があるもの
  2. 被相続人が生前購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのもの
  3. 遺言執行者である弁護士に支払った被相続人の相続に係る遺言執行費用
  4. 特別寄与者に支払った特別寄与料で、特別寄与者に係る相続税の課税価格に算入されるもの

正解 4

問題難易度
肢136.6%
肢214.6%
肢313.2%
肢435.6%

解説

  1. 不適切。団体信用生命保険に加入していれば、被相続人の死亡による保険金と住宅ローンの残債が相殺されます。相続人が支払う必要のない債務なので、当該ローン残高は債務控除の対象となりません。
  2. 不適切。墓地・墓碑・仏具等は非課税財産のため、この購入代金が未払いであったとしても債務控除の対象にはなりません。もし債務控除の対象になれば、高額な墓碑等を購入することで相続税額を下げることができてしまうからです。
  3. 不適切。遺言執行者である弁護士に支払った遺言執行費用や、相続税の申告に係る費用は債務控除の対象にはなりません。
  4. [適切]。特別寄与料とは、被相続人の親族であり相続人以外の者(孫や子の配偶者等)が、被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした場合に、相続人に対して請求できる金銭です。
    特別寄与料を受け取ったときは、被相続人からの遺贈により取得したとみなして特別寄与者の相続税の課税価格に算入します。その分、特別寄与料を支払う相続人に係る相続税の課税価格からは、その負担する特別寄与料の額を債務控除できます。
したがって適切な記述は[4]です。