相続財産の評価(不動産)(全40問中25問目)

No.25

Aさんは、自己が所有する宅地(以下「土地」という)の上に戸建て住宅(以下「建物」という)を建設し、その建物を第三者のBさんに賃貸している。この場合、AさんまたはBさんに相続が開始したときの相続税の課税価格の計算上、土地または建物に係る課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」については考慮しないものとし、建物は借家権の取引慣行のある地域にないものとする。
2017年5月試験 問58
  1. Aさんに係る相続税において、土地は相続税の課税対象となり、その相続税評価額は、貸家建付地として計算する。
  2. Aさんに係る相続税において、建物は相続税の課税対象となり、その相続税評価額は、自用家屋として計算する。
  3. Bさんに係る相続税において、Bさんは土地について借地権を有し、その借地権が相続税の課税対象となる。
  4. Bさんに係る相続税において、Bさんは建物について借家人の有する権利をもち、当該権利が相続税の課税対象となる。

正解 1

問題難易度
肢165.5%
肢216.0%
肢38.5%
肢410.0%

解説

  1. [適切]。土地所有者が建物を建て、建物を賃貸しているときのその敷地のことを貸家建付地といい、借家人の宅地に対する権利を差し引いて以下で評価されます。
    58_1.png./image-size:500×59
  2. 不適切。建物も相続税の課税対象になりますが、評価額は自用家屋ではなく貸家として評価されるので、借家権などの分を差し引いた額になります。
    58_2.png./image-size:417×59
  3. 不適切。Bさんが借りているのは建物だけですので、土地は課税対象になりません。
  4. 不適切。建物を借りているため借家権はありますが、本肢では"建物は借家権の取引慣行のある地域にない"ため、課税対象にはなりません。
したがって適切な記述は[1]です。