FP2級過去問題 2013年5月学科試験 問51

問51

Aさん、BさんおよびCさんがそれぞれ2023年中に下記の財産の贈与を受けた場合において、2023年分の贈与税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、Aさん、BさんおよびCさんが贈与を受けた財産は、下記以外に一切ないものとする。
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  1. Aさんは、納付すべき贈与税はない。
  2. Bさんは、「贈与税の配偶者控除」についてその控除限度額までの適用を受けた場合、納付すべき贈与税はない。
  3. Cさんは、父母いずれの贈与についても暦年課税を選択し、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた場合、納付すべき贈与税はない。
  4. Cさんは、父母いずれの贈与についても「相続時精算課税」を選択した場合、納付すべき贈与税はない。

正解 3

問題難易度
肢19.0%
肢213.7%
肢354.2%
肢423.1%

解説

  1. 適切。Aさんは、兄から90万円の贈与を受けていますが、贈与税の基礎控除額である110万円を控除すると贈与税の課税価格は0円になるので、納付すべき贈与税はありません。
  2. 適切。Bさんは、配偶者から2,100万円の価値の住宅を贈与されましたが、居住用不動産を配偶者から贈与されたとき、贈与税の課税価格から控除額最高2,000万円と、暦年課税の基礎控除110万円を併用すると、最高2,110万円まで控除できます。よって、Bさんの贈与税の課税価格は0円となり、納付すべき贈与税はありません。
  3. [不適切]。「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」は、父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定金額までは贈与税が非課税となる制度です。
    Cさんは両親から合計2,000万円の贈与を受けていますが、2023年度中の贈与における本特例の非課税限度額は省エネ等住宅でも1,500万円であり、この金額は受贈者1人当たりの限度額です。つまり、暦年課税の基礎控除110万円と合わせても全額控除することはできません。よって、贈与税の納付が生じることとなります。
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  4. 適切。相続時精算課税を選択すると、特定贈与者からの累計2,500万円までの贈与には贈与税がかかりません。また、暦年課税を選択するか相続時精算課税を選択するかは贈与者・受贈者の組合せごとに選択できます。 Cさんが贈与を受けた財産は、設問の表で示されているもの以外にないので、父母どちらからの贈与についても累計2,500万円以下です。したがって、Cさんが父母いずれの贈与についても相続時精算課税を選択した場合、納付すべき贈与税はありません。
したがって不適切な記述は[3]です。