FP2級 2019年1月 実技(金財:生保)

【第5問】次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。
 Aさん(72歳)は、非上場企業のX株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。X社の技術力は高く、複数の大手メーカーとの取引を拡大することで、業績は順調に推移してきた。Aさんは、3年後をめどに、X社の専務取締役である長男Cさん(40歳)に事業を承継させたいと考えている。Aさんは、自社株式の移転方法として、2018年度税制改正により創設された非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除の特例(事業承継税制の特例)の活用を検討している。
 Aさんの推定相続人は、妻Bさん(70歳)、長男Cさんおよび長女Dさん(38歳)の3人である。長女Dさんは、結婚しており、他県で生活している。
 X社の概要等は、以下のとおりである。

<X社の概要>
  1. 業種電子部品製造業
  2. 資本金等の額 5,000万円(発行済株式総数1,000,000株、すべて普通株式で1株につき1個の議決権を有している)
  3. 株主構成
    Aさん   800,000株
    妻Bさん  100,000株
    長男Cさん 100,000株
  4. 株式の譲渡制限あり
    ※X社は、相続その他の一般承継によりX社株式を取得した者に対し、当該株式をX社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めている。
  5. 年商30億円/経常利益8,000万円/従業員数120人
    ※X社株式の相続税評価額の計算上の規模区分は「大会社」であり、特定の評価会社には該当しない。
<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)>
現預金等
1億円
X社株式
3億円
自宅敷地(330㎡)
3,000万円
自宅建物
1,000万円
X社本社敷地(600㎡)
3,000万円
X社本社建物
5,000万円

合計
5億2,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用後の金額
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。