FP2級 2020年1月 実技(金財:個人)

【第5問】次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。
 Aさん(73歳)は、父親から相続した先祖代々の土地で不動産賃貸業(個人事業)を営んでいる。Aさんの年間の不動産収入は4,000万円であり、所得税および住民税の負担が大きいと感じている。現在、Aさんは、X社(不動産保有会社)を設立し、賃貸不動産をX社に売却して、不動産賃貸業を法人化することを検討している。
 Aさんは、現在、妻Bさん(68歳)および長女Cさん(44歳)と自宅で同居している。長男Dさん(41歳)は、県外の企業に勤務しており、故郷に戻って来る予定はないようである。
 Aさんは、不動産賃貸業を同居する長女Cさんに引き継がせたいと思っているが、大半の財産を長女Cさんに相続させた場合に、長女Cさんと長男Dさんとの間で争いが生じるのではないかと不安を感じている。

<Aさんの推定相続人>
妻Bさん
専業主婦。Aさんと自宅で同居している。
長女Cさん
Aさんの不動産賃貸業を手伝っている。Aさん夫妻と同居している。
長男Dさん
会社員。妻と子2人でマンション(持家)に住んでいる。

<Aさんの所有財産(相続税評価額)>
  1. 現預金:1億2,000万円
  2. 自宅
    ①敷地(240㎡):7,000万円
    ②建物:3,000万円
  3. 賃貸マンション甲
    ①敷地(300㎡):1億円
    ②建物(築30年):7,000万円
  4. 賃貸マンション乙
    ①敷地(400㎡):1億2,000万円
    ②建物(築25年):8,000万円
  5. 合計:5億9,000万円
  • 自宅および賃貸マンションの土地は「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額である。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。