FP2級過去問題 2021年1月学科試験 問4

問4

1年後に60歳の定年退職を迎える会社員Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのBさんに定年後に継続雇用となった場合における雇用保険からの給付について相談した。Bさんが説明した雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金に関する次の記述の空欄(ア)~(エ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金は、原則として、60歳に達した日において雇用保険の一般被保険者としての算定基礎期間に相当する期間が()以上あり、かつ、60歳以降の支給対象月に支払われた賃金額が60歳時点のみなし賃金日額に30を乗じた額と比較して()未満に低下している場合に支給の対象となります。支給期間は、60歳に達した月から()に達する月までです。支給額は、支給対象月に支払われた賃金額が60歳時点のみなし賃金日額に30を乗じた額の61%未満の場合は、支給対象月に支払われた賃金額の()相当額となります。
  1. (ア)2年 (イ)75% (ウ)65歳 (エ)20%
  2. (ア)2年 (イ)80% (ウ)70歳 (エ)15%
  3. (ア)5年 (イ)75% (ウ)65歳 (エ)15%
  4. (ア)5年 (イ)80% (ウ)70歳 (エ)20%

正解 3

問題難易度
肢126.0%
肢25.9%
肢364.6%
肢43.5%

解説

高年齢雇用継続基本給付金は、定年退職後も雇用保険の基本手当を受給せずに引き続いて働く被保険者の賃金低下を補い、就労の継続を促すための給付です。

本給付金は、60歳から65歳到達月までに支払われる各月の賃金額が60歳到達日(または受給資格を満たした日)の賃金月額と比較して75%未満に低下している場合に、各月ごと賃金の15%を上限として支給されます。本給付金を受け取るためには、原則として60歳到達時に一般被保険者としてのみなし算定基礎期間(被保険者であった期間)が5年以上なければなりません。
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〔(ア)について〕
高年齢雇用継続基本給付金を受け取るには、原則として60歳到達時に一般被保険者としての算定基礎期間5年以上なければなりません。ただし、60歳以降に5年に達すればその時点で受給資格を得ます。

※算定基礎期間(被保険者であった期間)とは、基準日まで引き続いて雇用保険に加入していた期間のことで、11日以上賃金支払いがあった月を1月としてカウントする「被保険者期間」とは少し異なります。

〔(イ)について〕
60歳以降に支払われる各月の賃金額が60歳到達日(または受給資格を満たした日)の賃金月額と比較して75%未満となっている場合に支給対象となります。

〔(ウ)について〕
高年齢雇用継続基本給付金の支給対象月は、原則として、60歳到達月から65歳到達月の間です(最大5年間)。

〔(エ)について〕
高年齢雇用継続基本給付金の支給額は、各支給対象月の賃金低下率によって異なります。
各支給対象月に支払われた賃金の額が、60歳到達時の賃金月額の61%未満である場合に、1ヵ月当たりの支給額は、支給対象月に支払われた賃金額の15%相当額(最高額)となります。61%超75%未満の数値はFP試験で問われないので、「61%未満のとき15%支給」だけ覚えておけばOKです。
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したがって[3]の組合せが適切です。