FP2級 2021年5月 実技(FP協会:資産設計)問25

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問25

沼田さん夫婦は、2025年ごろに第一子をもうけたいと考えており、出産や育児に関する社会保険の給付について調べている。公的医療保険や雇用保険による出産や育児に係る給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、優美香さんおよび信也さんは、会社に就職してから継続して全国健康保険協会管掌健康保険(以下「協会けんぽ」という)の被保険者であり、かつ雇用保険の被保険者であるものとする。また、記載以外の支給要件はすべて満たしているものとする。
  1. 協会けんぽの出産育児一時金は、双子を出産した場合は2人分支給される。
  2. 協会けんぽの出産手当金は、出産予定日を過ぎてから出産した場合は、出産予定日の翌日から出産日までの日数分も支給される。
  3. 雇用保険の育児休業給付金は、原則として対象となる子の3歳の誕生日の前日までの間について支給される。
  4. 雇用保険の育児休業給付金は、信也さんが優美香さんの出産日当日から育児休業を取得する場合、出産日当日から支給対象期間とされる。

正解 3

分野

科目:A.ライフプランニングと資金計画
細目:4.社会保険

解説

  1. 適切。出産育児一時金は1児につき50万円支給されるので、双子の出産では2人分支給されます。
    ※産科医療補償制度に加入しない医療機関での出産では48万8,000円
  2. 適切。出産手当金は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42から出産の日後56日までの間の労務に服さなかった期間について支給されます。※多胎妊娠の場合は98日
    実際の出産が予定日後だったとしても、出産予定日から出産日までの期間分も支給対象となります。例えば、出産予定日以前42日から産休をとっていて、実際の出産が予定日より3日遅れた場合は産前の期間につき「42日+3日=45日分」支給されることになります。
  3. [不適切]。育児休業給付金は、原則として対象となる子の1歳の誕生日の前日まで支給されます。パパ・ママ育休プラスを利用すれば1年2カ月まで、育児休業の延長が認められる場合には1年6カ月または2年までとなります。
  4. 適切。夫は、妻の出産予定日から育児休業を取得することができ、その日から育児休業給付金の支給対象期間となります。予定日より前の出産であるときは育児休業開始日の繰上げを行い、出産日当日を育児休業開始日とします。したがって、夫が、妻の出産日当日から育児休業を取得する場合、育児休業給付金は出産日当日から支給されます。
    一方、妻が育児休業を取得する場合は、出産日の翌日以降56日間は産後休業期間となるため、産後休業期間の終了後、子の1歳の誕生日の前日までが支給対象期間となります。
したがって不適切な記述は[3]です。