FP2級 2023年5月 実技(FP協会:資産設計)問16

問16

会社員の大津さんは、妻および長男との3人暮らしである。大津さんが2023年中に新築住宅を購入し、同年中に居住を開始した場合等の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、大津さんは、年末調整および住宅ローン控除の適用を受けるための要件をすべて満たしているものとする。
  1. 2023年分の住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合は、その差額を翌年度の住民税から控除することができるが、その場合、市区町村への住民税の申告が必要である。
  2. 大津さんが所得税の住宅ローン控除の適用を受ける場合、2023年分は確定申告をする必要があるが、2024年分以降は勤務先における年末調整により適用を受けることができる。
  3. 一般的に、住宅ローン控除は、その建物の床面積の内訳が居住用40㎡、店舗部分30㎡の合計70㎡の場合は適用を受けることができない。
  4. 将来、大津さんが住宅ローンの繰上げ返済を行った結果、すでに返済が完了した期間と繰上げ返済後の返済期間の合計が8年となった場合、繰上げ返済後は住宅ローン控除の適用を受けることができなくなる。
(ア)(イ)(ウ)(エ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)(エ)
××

分野

科目:D.タックスプランニング
細目:6.税額控除

解説

  1. ×不適切。住宅ローン控除可能額が所得税から控除しきれない場合、その残余額は翌年の住民税から控除されます。市区町村への申告は不要で、自動的に控除になります。
  2. 〇適切。住宅ローン控除の適用を受ける場合、初年度はすべての人が確定申告をする必要がありますが、会社員であれば翌年以降は勤務先の年末調整によって適用を受けることができます。
  3. ×不適切。住宅ローン控除の適用を受けるには、家屋の床面積が50㎡以上であり、かつ、床面積の2分の1以上が居住用であることが要件になります。床面積の合計は70㎡、居住用部分の割合は2分の1以上なので、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
  4. 〇適切。住宅ローン控除の対象となる住宅ローンは、償還期間が10年以上であるものです。繰上げ返済によって借入れ当初からの償還期間が10年未満となった場合、この要件を満たさなくなるため、その年以後は住宅ローン控除の適用を受けられません。