FP2級 2023年9月 実技(金財:個人)

【第5問】次の設例に基づいて、下記の各問(《問13》~《問15》)に答えなさい。
 Aさん(71歳)は、父親から相続した先祖代々の土地を活用し、不動産賃貸業(個人事業)を営んでいる。Aさんの不動産収入は年間4,000万円程度であり、所得税の負担が大きいと感じている。そのため、X社を設立したうえで、賃貸不動産をX社に売却するなど、不動産賃貸業の法人化を検討している。
 Aさんは、現在、妻Bさん(67歳)および長男Cさん(38歳)と自宅で同居している。長男Cさんは、地元の中小企業に勤務する傍ら、Aさんの不動産賃貸業を手伝っている。二男Dさん(36歳)は、県外の企業に勤務しており、実家に戻る予定はない。
 Aさんは、不動産賃貸業を長男Cさんに引き継がせたいと思っているが、大半の財産を長男Cさんに相続させた場合、長男Cさんと二男Dさんとの間で争いが生じるのではないかと不安を感じている。

<Aさんの推定相続人>
妻Bさん
専業主婦。Aさんと自宅で同居している。
長男Cさん
会社員。Aさん夫妻と同居している。
二男Dさん
会社員。妻と子と一緒にマンション(持家)に住んでいる。

<Aさんの主な所有財産(相続税評価額)>
  1. 現預金:1億6,000万円
  2. 自宅
    ① 敷地(200㎡):6,000万円
    ② 建物:1,000万円
  3. 賃貸マンション甲
    ① 敷地(300㎡):9,000万円
    ② 建物(築30年):2,800万円
  4. 賃貸マンション乙
    ① 敷地(400㎡):1億2,000万円
    ② 建物(築25年):3,200万円
  5. 合計:5億円
  • 自宅および賃貸マンション甲、乙の土地は「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額である。
  • 上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。