FP2級 2024年9月 実技(FP協会:資産設計)問4

問4

安藤さんと井川さんは、下記<資料>のとおり、QT株式会社の株式(以下「QT株式」という)を2024年1月から同年5月において毎月15日に購入した。安藤さんと井川さんのQT株式の取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、このほかにQT株式の取引はないものとし、手数料および税金は考慮しないものとする。また、購入株数は正しいものとする。
  • 安藤さんは株式累積投資制度で購入した。
  • 井川さんは購入の都度、単元未満株投資制度で購入した。
  • QT株式の1単元は100株である。
  • QT株式会社の本決算および議決権の基準日は3月末日である。
  • QT株式の期末株主配当金は、1株当たり100円であった。
04.png/image-size:580×131
  1. 安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低くなっている。
  2. 安藤さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することができるが、井川さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することはできない。
  3. 安藤さんおよび井川さんは、2024年3月期の期末株主配当金を受け取ることができる。
  4. 安藤さんおよび井川さんは、2024年に開催される定時株主総会の議決権を持たない。

正解 2

分野

科目:C.金融資産運用
細目:5.株式投資

解説

  1. 適切。平均購入単価は、購入総額を購入数で求めます。
    • 安藤さん 80,000×5カ月22+20.6+25.4+22.3+21.9≒3,565円
    • 井川さん 79,860+85,360+69,300+78,760+80,30022×5カ月=3,578円
    安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低いです。安藤さんは定期同額買付、井川さんは定期同数買付という違いです。定期同額買付の安藤さんはドルコスト平均法の効果により、平均購入単価を抑えることができたと見ることができます。
  2. [不適切]。2024年3月に保有している株式数は安藤さん68株・井川さん66株で、ともに1単元未満です。1単元未満の株式については、どちらの方法でも指値注文は利用できません。なお、積み立てた株式数が1単元に達すると自動的に単元株に振り替えられるので、その後は1単元単位で指値注文することは可能です。
    【補足】株式累積投資は、証券会社との契約に基づき、預けた資金で毎月一定日に指定した株式を一定金額だけ継続的に買い付ける制度、単元未満株投資(株式ミニ制度)は、証券会社が取り扱う銘柄を単元株未満の単位で売買できる制度です。株式累積投資では、証券会社が申込者からの払込金をまとめて注文日に成行注文で売買されます。一方、単元未満株投資は、約定日における取引所の定められた価格が売買価格となります。
  3. 適切。株式累積投資・単元未満株投資のいずれも、1単元未満の保有であっても、権利確定日に保有する株式数に応じて株主配当金を受け取ることができます。
  4. 適切。議決権の基準日である2024年3月末において、保有している株式数は安藤さん68株・井川さん66株で、ともに1単元未満です。単元株制度を採用している会社では、議決権は1単元につき1つ与えられるので、安藤さん・井川さんともに議決権はありません。
したがって不適切な記述は[2]です。