FP2級過去問題 2025年1月学科試験 問60
問60
2024年4月1日に施行された改正不動産登記法における相続登記に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 相続により不動産を取得した相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
- 相続登記の申請をしなければならない者は、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨および自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることで、相続登記の申請の義務を履行したものとみなされる。
- 2024年3月31日以前に開始した相続により不動産を取得した相続人は、相続登記がされていない場合であっても、その所有権について相続登記の申請をする義務はない。
- 相続登記の申請をしなければならない者が、正当な理由がないのにその申請を怠った場合、罰則の適用対象となる。
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正解 3
問題難易度
肢116.1%
肢215.3%
肢357.2%
肢411.4%
肢215.3%
肢357.2%
肢411.4%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:11.相続・事業承継の最新動向
解説
〔改正不動産登記法について〕
相続により不動産を取得した際の所有権移転の登記は、権利の登記の一般原則に従い、これまで登記の義務はありませんでした。そのため、数度の相続を繰り返すうちに誰が所有者か分からなくなり、管理が行き届かずに空家や空地の環境悪化、さらには建物の解体が進まないといった問題が生じていました。
そこで改正不動産登記法(2024年4月1日施行)では、相続で不動産を取得した場合には、相続したことを知り、かつ不動産の所有権を取得したことを知ったときから3年以内(原則)に、相続登記をすることを義務化しました。正当な理由なく相続登記の申請をしない場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。また、過去(2024年3月31日以前)に相続した不動産についても相続登記の対象とされ、相続したことを知った日から3年以内、または法施行日から3年以内に登記をする義務があります。
相続により不動産を取得した際の所有権移転の登記は、権利の登記の一般原則に従い、これまで登記の義務はありませんでした。そのため、数度の相続を繰り返すうちに誰が所有者か分からなくなり、管理が行き届かずに空家や空地の環境悪化、さらには建物の解体が進まないといった問題が生じていました。
そこで改正不動産登記法(2024年4月1日施行)では、相続で不動産を取得した場合には、相続したことを知り、かつ不動産の所有権を取得したことを知ったときから3年以内(原則)に、相続登記をすることを義務化しました。正当な理由なく相続登記の申請をしない場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。また、過去(2024年3月31日以前)に相続した不動産についても相続登記の対象とされ、相続したことを知った日から3年以内、または法施行日から3年以内に登記をする義務があります。
- 適切。相続により不動産を取得した場合、相続登記の申請をする義務があります。登記申請の期限は、自己が相続したことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内です。
- 適切。相続登記の義務化に伴い、申請義務を簡易に履行するための制度として「相続人申告登記」が設けられました。この制度では、登記官に対して「所有権の登記名義人について相続が開始した旨」「自らがその相続人である旨」の2つを申し出れば、相続登記の申請義務を果たしたとみなされます。ただし、遺産分割の成立により財産の帰属が決定した場合には、改めて相続登記をする必要があります。
- [不適切]。2024年3月31日以前に開始した相続により不動産を取得した相続人のうち、相続登記をしていない場合には、相続登記の申請義務の対象となります。相続したことを知った日から3年以内、または法施行日から3年以内(2027年3月31日まで)に相続登記をする義務があります。
- 適切。正当な理由なく相続登記の申請をしなかった場合、10万円以下の過料に処されます。行政罰が設けられたのは、訓示的な規定ではなく具体的な義務として意識付けることで、法の実効性を担保することが狙いです。
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