FP2級 2025年1月 実技(FP協会:資産設計)問20

問20

関根さんは、遺言書の作成を検討しているため、FPの氷室さんに相談をした。氷室さんが行った次の(ア)~(エ)の説明について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。なお、遺言書保管所とは、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」に定める遺言書保管所をいうものとする。
  1. 「公正証書による遺言をした人は、その遺言を自筆証書による遺言によって撤回することができます。」
  2. 「パソコンで自筆証書遺言書に添付する財産目録を作成する場合、当該目録のすべてのページに署名および押印をする必要があります。」
  3. 「自筆証書遺言書保管制度では、自筆証書遺言書の保管を申請する場合、疾病等で遺言者本人が遺言書保管所へ出頭することが難しいときであっても、代理人が出頭することは認められていません。」
  4. 「自筆証書遺言書保管制度により遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言書は、相続開始後に家庭裁判所の検認を受ける必要があります。」
(ア)(イ)(ウ)(エ)

正解 

(ア)(イ)(ウ)(エ)
×

分野

科目:F.相続・事業承継
細目:3.相続と法律

解説

  1. 〇適切。遺言は、適法なものであればどの方式で作成されたかにかかわらず、後から作成された遺言の内容が優先されます。したがって、公正証書遺言を作成した後でも、新たに自筆証書遺言を作成すれば、以前の遺言の内容を撤回することができます。
  2. 〇適切。自筆証書遺言は、遺言の全文、日付、氏名を自書し、押印することが必要ですが、遺言に付ける財産目録に限り、パソコンで作成することができます。財産目録をパソコンで作成する場合、各ページに署名と押印をしなければなりません。
  3. 〇適切。遺言書保管所(法務局)に対して行う遺言書の保管申請は、遺言者が遺言保管所に自ら出頭して行うことになっています。代理人の出頭は認められません。これは、実際には有効に成立していない遺言書が誤って保管申請されることや、遺言者の意思に反して第三者が勝手に申請することを防止するためです。
  4. ×不適切。自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、遺言の原本が遺言書保管所に保管されます。遺言書保管所に保管する際に外形的な確認が行われ、その後、偽造・変造のおそれがないため、家庭裁判所の検認は不要とされています。